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「食品添加物はカラダに悪い!?」  ペットフードの都市伝説 その4 前編


はじめに

今回のテーマは「食品添加物」です。

「食品添加物は体に悪い」ということは、もはや常識のようになっています。
でも、あえてそれをもう一度考えてみましょう。


先日、無添加をウリにしたマフィンが原因で、食中毒がおきる事件がありました。
この事件に関して、Youtubeで人気の料理研究家がX(旧ツイッター)で次のようなポストをしていらっしゃいました。

食品添加物は「積極的に使え」とは言わないけど衛生的観点から

「適切に使ったほうが下手な無添加食品より安全」という認識は広がった方が良いと思う

無添加だから安全、オーガニックだから安全は幻想です

https://x.com/ore825/status/1724344301562585310?s=20

このポストをご覧になって、みなさんはどう感じましたか?

「もっともだ」と感じましたか?
「それでも、やっぱり添加物はイヤ」と感じましたか?


僕は、「ほぼ全面的に同意。でもちょっとだけ引っかかるところがある。」という感じです。
その理由は、今回と次回の記事の中で書いていきますね。


食品添加物について正しく知っておくことは、ねこさん・わんちゃんのフード選びのために大切なだけでなく、飼い主さん自身の健康を考える上でも大切なことだと思います。

この機会にぜひ、食品添加物のことをあらためて考えてみてください。

※ 今回と次回の記事で解説する「食品添加物」は、基本的に、食品衛生法で定められている”ヒト用の”食品添加物をさしています。

ただ、ペットフードで使われる添加物も、安全性についての考え方は同じです。


今回はまず、「食品添加物とはどんなものなのか」について解説します。
そして次回は、「食品添加物の危険性・安全性」について解説します。


今回の記事をご覧いただくにあたって、できれば下の記事をあらかじめお読みいただけるとありがたいです。



食品添加物とは

もしかすると、「食品添加物」というのは「保存料」や「酸化防止剤」のことだと思っている人が多いかもしれません。
でもじつは、保存料や酸化防止剤以外にも、食品添加物はたくさんあります。

そこで最初に、食品添加物の定義を見てみましょう。

食品添加物は、「食品衛生法」第4条第2項で次のように定義されています。

この法律で添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によつて使用する物をいう。

食品衛生法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000233

法律というのはどれも分かりにくく書いてありますが、要するに、「食品添加物とは、ある目的のために食べ物に混ぜて使うもの」ということですね。
「保存料」や「酸化防止剤」は「保存の目的で」使用される添加物ということです。

食品添加物には、保存料や酸化防止剤の他にも、食品の製造や加工のために必要なもの、食品の風味や外観を良くするためのものなどがあります。


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