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世界一わかりやすい肥満細胞腫について

今回は犬の皮膚腫瘍で多い肥満細胞種について見ていきましょか

犬では皮膚腫瘤のうち1番多く、猫でも2番目に多い発生率の皮膚腫瘤なんや。

さていきまっせ〜


肥満細胞腫とは?

肥満細胞腫とは肥満細胞が腫瘍化したものであり、全身のありとあらゆる部位に発生が可能なんや。

動物種や悪性度、発生部位によって挙動も変わってしまって厄介この上ないんよね


転移もするんですか?


もちろんしてしまうんや。肥満細胞腫が進行化していくと、リンパ節転移や肝臓、脾臓の転移が見られるって話や。ただその反面肺の転移は少ないみたいなんよな。

腫瘍随伴症候群について

腫瘍随伴症候群ってなんですか?


いわゆる腫瘍が起こることで併発して起こる症状のことや。

肥満細胞腫では有名なのが

1、高ヒスタミン血症・・胃酸の分泌を促して胃潰瘍なんかを起こしてしまう。また、致死的な低血圧性のショックを起こしてしまうことなんかもあるんや。

2、ダリエ兆候・・物理的刺激により、紅斑、浮腫、皮下出血、掻痒などが見られるんや。なんか腫瘍ができてた時にガシガシ触ったりするのはNGな

3、癒合遅延・・肥満細胞の中には、タンパク分解酵素やヒスタミンなどがありそれらが、傷の癒合遅延につながるんや。厄介やなあ。

治療法は?
基本的には外科的切除になるな。

ただ肥満細胞腫はマージンと言って腫瘍に対し、外側3センチほど取らなあかんねん。

やから十分なマージンが取れない部位に発生してしまった時は、術後に放射線治療を組み合わせたりするんねん。たとえば顔なんかに肥満細胞腫ができてしまった時なんか腫瘍の周り3センチなんて切除したらとんでもないことになるやんな?

ただ放射線治療ができる病院は少なく、お金もかかってしまうからなるべく小さいうちに病院にいくのが最善の選択やな。

薬としてはビンブラスチン、プレドニゾロン、ロムスチンっていう薬を使ったりするな。最近では分子標的薬っていうイマチ二ブやトセラ二ブっていう薬を処方されるかもな。

予後は?
予後に関しては肥満細胞腫のグレードやステージっちゅうもんによって異なる場合が多いな。

臨床ステージやと

ステージ0 不完全切除された単発の主要で局所リンパ節に浸潤なし
ステージ1 真皮に限局した単発の腫瘍で局所リンパ節に浸潤なし
ステージ2 真皮に限局した単発の腫瘍で局所リンパ節への湿潤あり
ステージ3 多発性の腫瘍、または大型で湿潤性の腫瘍で局所リンパ節への湿  潤あり、またはなし
ステージ4 遠隔転移、または全身性に浸潤している腫瘍すべて
病理組織学的なグレード

グレードI 分化型 低グレード 細胞質境界明瞭。核はそろっていて、球形または卵円形。有糸分裂像はまれ、または存在しない。大型で濃染性の細胞質内顆粒が豊富に認められる。
グレードII 中間型 中等度グレード 細胞が密に集まっており細胞質境界が不明瞭。有糸分裂像は少ない。退形成のものより顆粒は多い
グレードIII 未分化型 高グレード
細胞成分に富む未分化な細胞質境界。核のサイズおよび形の不整。有糸分裂像多数。まばらな細胞質内顆粒
まあこんな感じで分類されるわけなんやが、犬に関してはグレードやと1に関しては予後はいい場合が多いな。

逆にグレードⅢに関しては外科切除単独では、1年生存率が24%というデータがでとる。ただ、放射線治療と組み合わせることで中央生存期間28ヶ月、2年生存率は39%に向上するというデータもあるんや。

まとめ
犬の場合やと皮膚にできることが多いけどほったらかしにしてそのままにしておくと後から取り返しがつかない腫瘍になってしまう。

やから皮膚に何かしこりがあるなとか感じたらまずは病院に行くことをおすすめするで。

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