転職活動の応募先、どうやって決めていますか?
こんにちは、ペルソナの松原です。
最近では、AI技術や自動化の発展により、転職活動の方法が大きく変わり始めていると感じます。たとえば、自動マッチングによって手軽に多くの求人が見つかり、履歴書や職務経歴書も簡単に見栄えよく作成できるようになったことで、一見すると転職活動のハードルが下がったように感じるかもしれません。
しかし、このような時代の流れに頼りすぎることは、本当に納得のいく転職につながるのか疑問を感じることもあります。
そこで今回は、これから転職活動を始める方や、すでに活動中の方に向けて、AIや自動化に頼りすぎず企業選びの軸を定めて自分の意思を持って進めることの大切さを、事例を交えながらお伝えしたいと思います。
以前、ご相談いただいたAさん
Aさんは弊社以外にも数社の転職エージェントと面談し、ご自身でも積極的に応募をされていました。しかし、お見送りが続いていたため、もっと他に応募できる求人がないかとご相談をいただきました。
年齢的な焦りもあり、他社エージェントには多くの会社に応募することをすすめられ、AIマッチングも利用しながら30~40社近く応募していました。
多くの求人に応募していたため、Excelで応募状況や書類選考結果を管理されていましたが、書類選考の通過率が低く、通過しても次のステップに進めていない状況でした。なぜその企業に応募したのかを覚えていないこともありました。
AIマッチングや、やみくも応募の落とし穴
なぜ、こんなにもたくさん応募しているのに書類選考を通過しないのか、状況を詳しく伺うことで以下のことがみえてきました。
断片的なマッチング
AIなどは、過去の経験やスキルセットに基づいて求人を提案していることが多いですが、それは部分的に合っているだけで、総合的にみればミスマッチといえる企業やポジションが多く含まれていました。
カルチャーの不一致
応募数を優先するあまり、企業のカルチャーや募集背景を十分に考慮せずに応募していました。企業の人事担当者は、応募者の経歴や年齢、在籍企業の印象などから、その人が自社にフィットするかどうかを総合的に判断します。そのため、Aさんの応募が自社に合わないと判断され、お見送りになっていた可能性がありました。
意思のない、多すぎる応募数
多くの求人に応募することで、どこに応募したのか、なぜ応募したのかを覚えていないことがありました。これでは、面接時に自分の志望動機や熱意をうまく伝えられず、結果として次のステップに進むのが難しくなってしまいます。企業側から見ると、応募者が自社を選んだ理由が曖昧だと、意欲や適性面に疑問を感じてしまいます。
まずは、転職検討理由の分解から応募先企業の選定へ
冒頭にもありましたが、Aさんの転職検討理由はこちらの内容でした。
これらの理由をさらに細かく分解してみると、以下のように具体的な問題点が浮かび上がってきました。
■伝統や規則を重視する古い企業体質や、その上層部との考え方の違い
柔軟な働き方ができない
リモートワークに消極的でフレックスタイム制度も導入されていないため、働き方の選択肢が限られている
保守的な環境
新しいアイデアや技術の導入に消極的で、変化を受け入れない企業文化
決定プロセスが遅い
意思決定がトップダウンで行われ、承認プロセスも長く、迅速な対応が求められる状況でも遅れが生じていた
■経営状態の不透明さに不信感を抱きはじめた
長期的なビジョンが感じられない
会社の将来の計画や戦略が不明確で、社員に共有されないため、将来に対する不安が高まる
市場競争力の低下
競合他社に比べて市場での地位が低下しており、会社の成長性に疑問を感じる
業界全体の不安定さ
所属する業界全体が不安定であり、業界の先行きに対する懸念がある
これらの要因が組み合わさっていたことで、Aさんは現職に対する不安や不満を強く感じ、転職を検討しはじめたのだと言語化できるようになりました。
ここからさらに、ご自身の強みや入社後に価値発揮できる部分を整理し、
5~10年後にありたい姿を考えていくことができました。
最後に
転職活動は、決して簡単に終えられるものではありません。
自分自身と向き合う時間も長く、エネルギーを消費しますし、孤独な時間もあると思います。
AI技術や自動化が進む中で、転職活動が以前よりも効率的になったと感じるかもしれませんが、AIでは対応できないこともまだ多くあります。
そのため、やみくもに目先の企業に応募するのではなく、一度立ち止まって自分自身と対話し、まずは転職理由を分解して明確にすることが大切です。そして、その課題を洗い出し、それらが自分の価値観にどう影響するのかを考えてみてください。
転職活動において何かお困りのことやご不安なことがございましたら、いつでもペルソナにお気軽にご相談ください。
転職活動を通して踏み出す新しい一歩が、よりよい選択へとつながることを心から願っています。
ペルソナ株式会社 松原
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