これからは地元の味覚を東京に連れて帰ろう
先月の末、一人で地元へ帰省した。GW前半戦のことだった。
毎月、月末は祖母が施設から家へと帰ってくるので、そのタイミングでなるべく顔を見るために帰るようにしている。
祖父の時のように後悔をしてからでは遅い。
家を飛び出して絶縁状態だった数年の時間を少しでも取り戻すつもりで、会える時間を大切にしようと心がけているつもりだ。
毎度、帰ったからと言って特別何をするわけでもない。
祖母も車椅子になってしまったので、あまり遠出もできないし、行けるところも限られている。
みんなでご飯を食べに行ったりはするが、その帰りにいつものスーパーに寄って買い物をしてから家に帰り、みんなで家でお菓子をつまむ。
本当になんてことない時間だけど、私たち家族にはきっとこういう時間があまりにも足りなかったんだと思う。
きっと皆が祖父の自死をきっかけに、"なにげない"ことの大切さを取り戻そうとしている気がする。
この日も、みんなでご飯を食べた後にスーパーに買い物へ行った。
東京のスーパーには売っていない商品を眺めながら、祖母の車椅子を押す。
とぼとぼと歩いていると、地産地消のコーナーが目に入った。
商品を見てみると、とても立派な野菜がかなりの低価格で売られていた。
どれもこれも東京では手に入らないような価格。手に入ったとしても、こんな値段では絶対に買えない。
見ているだけで心がウキウキした。
子供の頃は直売所によく連れて行かれ、祖母の買い物に付き合わされたけれど、何が楽しいのかさっぱり分からなかった。
お菓子も売ってないし退屈なだけ。
帰りにいつものスーパーでお菓子買ってね。なんて言っていたことを思い出す。
でも、いざこうしてしっかりと自炊をするようになると、地元の野菜が魅力的に輝いて見えた。
手にとって見ていると、母が東京まで車で送るから好きなものを買っていきな。と言ってくれた。
あれもこれも買いたいけれど、帰省前にある程度の買い出しを済ませてしまっていたので、立派なネギと椎茸、それに山うどだけ買って行くことにした。
帰ってからさっそく山うどの下処理。
実は、自分でうどを調理するのは始めてのこと。
どんな風に食べようかワクワクしながら下拵えをする。
茎、茎の柔らかいところ、穂先、葉っぱ、皮に分けて酢水でアクをしっかり抜いていく。
この時点でもう、青々とした春の匂いがキッチンに溢れて爽やかな気持ちになる。
10分程度アク抜きしたら、作り置き開始。
茎は無難に酢味噌和えに。
祖母が昔よく作ってくれた味。
小さい頃は苦手だったけれど、いつのまにか好きになっていたなぁ。
皮は醤油、みりん、砂糖で炒めてきんぴらに。(写真撮り忘れた。)
葉っぱの半分は、買ってきたネギと一緒に炒めてから、ご飯のお供のネギ味噌にしてみた。
うどの香りが爽やかで最強のメシ泥棒!!
おにぎりの具にもバッチリです!
そして茎と穂先、残りの葉っぱは天ぷらにして、冷やしうどんと共にいただきました。
一緒に買ってきた椎茸も揚げて、ネギは薬味に。
上に乗ってる温玉は地元の養鶏場でいただいた卵を分けてもらったもの。
黄身の味が濃くてとっても美味しかった…!
こうして何日かに分けて地元の食材を楽しみました。
お菓子とか物もいいけれど、その地の食材をこうして家に持って帰ってきて調理するのも最高のお土産になるんだなぁ、と。
これから地元に帰ったら野菜を持って帰ってこようかな。
今度は農家の直売所に連れて行ってもらおう!
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