見出し画像

弟は、障がいがある「割に」すごいのか?

これまでの経緯(決意〜活動開始)

2021年9月、ずっと心の内に秘めてきた、

「弟の絵を、世界中の人々に観てもらいたい」 

という決意を胸に、以下の記事を書きました。

弟の敦嗣(以下、あっちゃん)は、画家です。
あっちゃんは、このような絵を描いています。

3色の瓶をモチーフに描いた作品
この布の感じが好きで、左側の青の作品を部屋に飾っています。
この作品を描いていた頃、初めてあっちゃんが、俺、彼女がほしいって言ったことを思い出します‥笑

絵を描くことが大好きで、どんなに辛いことがあっても
絵を描くことと向き合い続けてきたあっちゃん。

その才能、その想いの結晶であるあっちゃんの絵を、
一人でも多くの人に観てもらいたい。
「あっちゃんの描く絵は素敵で、沢山の人が楽しみにしているよ」
と、実家に帰省する度に伝えたい。

その様な想いがあり、Instagramアカウントを開設したり、
作品をNFT化して販売したりと、様々な活動を開始しました。

https://opensea.io/Atsushi-Kubo

これまでの経緯(活動開始〜活動休止)

滑り出しは順調で、沢山の方があっちゃんの絵を見てくださいました。
激励のコメントをいただいたこともありました。
NFT作品を購入いただいた方もおりました。
本当に、本当に嬉しくて、何度感極まったか分かりません。

あっちゃんにも都度伝えていて、基本的には喜んでくれました。
ですが、とあるコメントで、

「障がいがあるのにすごいです!」

というものがありました。

そのコメントを見せた時あっちゃんは、悲し気な顔で言いました。

「俺は普通じゃないから、皆俺の絵を観てくれるだけか。まあそうだよね。」

私は、はっとしました。

弟の絵を沢山の人に観てもらうことを望むあまり、
あっちゃんの障がいを売りにしていなかったか。
あっちゃんは障がいがある「割に」すごいのか?
そんな伝え方になっていないか。
私は、自分を顧みる必要があると感じました。

そして11月、活動を休止しました。
私は何がしたいのか。
あっちゃんの絵や、あっちゃんの障がい、そして何よりあっちゃん自身と、
どう向き合っていくのか。ずっとぐるぐると考えていました。

あっちゃんの絵と向き合い、活動を再開

先日、部屋に飾ってある青い瓶の絵をぼーっと眺めていて、
ふと、自分でも描こうと思い立ち、挑戦してみました。

結果、全然上手くいきませんでした。
色も、構図も、何もかもが難しいと感じました。
実際に描いてみて、あっちゃんの絵は、
障がいの有無に関係なく、途方も無くすごい才能の結果なのだと、
改めて感じました。

確かにあっちゃんには障がいがあります。
上手く話をすることはできませんし、計算だって指を使わなければできません。時計もデジタルでしか読めません。
正直、両親が亡くなったらどう生きていくのか、心配でたまりません。

ですが、絵の才能があります。
障がいがある「割に」ではありません。
一人の画家として、才能ある素敵な絵を描いています。
兄として、そんなあっちゃんを誇りに思います。

だからこそ私は、あっちゃんの絵を世の中に広める活動を、再開します。
これからも、あっちゃんの事を自慢させてください。

最後に

先日、家族であっちゃんの将来についての話が出ました。
あっちゃんには絵を描き続けてほしい。
家族一同、心からそう思っていますが、
両親にもしもの事があった際には、現状のままでは難しいだろう、
というのも事実です。

そんな事もあり、私の今後の活動にもう一つの目標ができました。
それは、あっちゃんが絵を描くことで、自分の力で生きていけるように
なることです。

こんな未来が訪れるよう、これからも全力であっちゃんの絵を世の中に
自慢して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2021/12/29
久保 貴嗣

この記事が参加している募集

404美術館

私の作品紹介

サポートありがとうございます!!!これからも兄弟共々頑張ります!