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スターバックの本棚・「エンド・オブ・ライフ」

佐々涼子著『エンド・オブ・ライフ』

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看取るということはどういうことか。
「死ぬ前に家族と潮干狩りに行きたい」。患者の最期の望みを叶えるため、大量の酸素ボンベを積んで京都から愛知県まで180キロを往復する。

余命幾ばくもない音楽好きの患者のために自宅でハープ演奏会を開催する。

死にゆく人たちの思いに献身的に応えていく医師と看護師たちが京都にいる。

その一人、訪問看護師の森山文則は、自身がステージIVのすい臓癌であることを知り、残された時間で「共著で本を書かないか」と友人である著者に持ちかける。

200人の患者を看取った「看取りのプロ」森山は、自らの死とどう折り合いをつけようとしたのか?

著者は、終末医療にこだわるきっかけとなった自身の母の病気と、献身的に看病する父の話を交え、死を迎える人とそこに寄り添う人たちを活写する。

読む者に、自分や家族の終末期のあり方を考えさせるノンフィクション。

「逝く人と、それを送る人」が大きなテーマになっていて、読みながら、ご自身やご家族や終末期のあり方を考えさせてくれる本です。それでいて、素晴らしい読後感を残してくれます。

いつ病いに侵されるかは、誰にもわかりません。最近不幸な事件がありました。
この本は、まさに対局にある本です。若い方からご高齢の方まで命の閉じ方について考えることができたらと思います。

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二村 知子 | Tomoko Futamura
隆祥館書店店主 井村雅代コーチ(当時)に師事し、シンクロナイズドスイミングを始め、現役時代はチーム競技で2年連続日本1位、日本代表として2年連続世界第3位に。現役引退後、隆祥館書店に入社。2011年から「作家と読者の集い」と称したト-クイベントを開催、2016年からは「ママと赤ちゃんのための集い場」を毎月開き、2019年4月からは、宝上真弓先生と子育てに悩む親御さんのために絵本選書の無料サ-ビス、2020年6月より、お客様からのリクエストを受け一万円選書を始めている。

隆祥館書店:http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/


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