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探し物を見つけた!その先のワクワク‐[杉本佳祈]

皆さんこんにちは。東京大学理学系研究科の杉本佳祈です。
初めてSpace Seedlingsで記事を書きます。普段はJAXAの宇宙科学研究所に通い火星の水の進化史についての研究をしています。
先月からSpace Seedlingsのメンバーに加入したので、これから主に私の研究を皆さんにお伝えできればと思っています。
自由に書くので気楽に読んでいただけると嬉しいです。今回は自己紹介記事なので、こんな人がいるんだなぁぐらいの気持ちお付き合いください。

では改めて大学院入学に至るまでの経緯を含めて自己紹介をします。
東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻に所属していて、現在は修士1年です。ちなみに好きなものはカレーとワインと料理です!

左:吉祥寺に食べに行ったカレー
右:宇宙研の近くにあるタイ料理屋さんのグリーンカレー
このお店は毎週金曜日に宇宙研に来てくれて
お弁当を届けてくれます!
みんなこのグリーンカレーが大好きです!

家ではYouTubeでトレーニング動画見て運動したりしています。座ってばっかりの研究なので体を動かしてリフレッシュしています。
そんな特に大それた特技などがあるわけではない私ですが、どうして東大に入り火星の研究をするに至ったのか話していこうと思います。

進路とその先の夢

大学で4年間過ごして就職する、というのが多くの人がイメージしているキャリアだと思うのですが、私はもっと惑星のこと(特に火星)を勉強したい!と思って、大学卒業後、大学院に進学しました。

小学生の頃から空を見たり星や月を眺めたりするのが好きで気づけば数時間経っていたこともありました(笑)。そのまま自然と宇宙に興味を持ち始めて、何となく高校生の時に理系を選択しました。
恐らく高校生の大半はそんな感じですよね。でも宇宙が好きだというのはずっと自分の中にはあったので、大学受験では宇宙物理を学べる数少ない私立大学の立教大学へ入学しました。

ここでも将来ははっきりと決まらない中、好きな宇宙に関する講義をよく受けていました。そしたら、その講義の一つを受けていた時に私の進む道がはっきりと決まった瞬間があったんです。
その講義の最後に講師の方が、『将来火星に人が住めるようにするために、研究しているんだ』とおっしゃっていて、この言葉にビビっときました。『あ、これだ!』という探し物を見つけた時のような感覚。

そこから私の興味が火星へと移っていき、同時に火星へ移住する将来をこの目で見てみたいという夢ができました。じゃあ移住するにあたって必要なものは何だろう?と考えた時に絶対必要なものの一つが『水』です。

火星の「水」の研究へ

ここからは何故火星の水の進化史の研究をするに至ったのかを話していきたいと思います。
なぜ地球はこんなにも生命あふれる星になったのか?
なぜ緑が豊かなのか?
これにはすべて『水』が関係しています。
私たち人間も生きていくうえで水は欠かせないですよね。身体を動かすためにエネルギーが必要だし、そのエネルギーは食べ物から摂取します。その得たエネルギーをちゃんと身体に運ぶ役割をしてくれるのが体内の水です。
ここで話している水は“液体”の水のことです。
液体で存在できるという事が重要になります。この指標になるのが、太陽からの距離で表される『ハビタブルゾーン』というものです。

ハビタブルゾーンでは水が液体として存在でき、火星はちょうどこのゾーンに入っています。なので火星に水があれば移住できる可能性が大きくなりますね。
そして、過去に火星には海があったと考えられています。
ですが現在ではその水は宇宙空間に逃げてしまい、乾燥した寒い惑星と変わってしまいました。

ここで疑問に思うのが、本当に水は全て逃げてしまったのか?という事です。皆さんどう思いますか?
答えはノーです。実際に火星では水が氷として存在している場所が見つかっていたりします。そう、今でも火星に氷としてですが水は存在するのです!これでさらに移住できる可能性が上がりましたね。段々とワクワクしてきませんか!?
そこから、実際に火星にはどのぐらいの氷の水が眠っているのだろう?という疑問を持ち始め火星の水の歴史を研究したいと思うようになりました。

現在火星は地下に氷があると考えられていて、実際に氷が露出した層も発見されています。今私はこの火星に眠っている氷の量を調べる研究をしています(まだ始めたばかりなのですが…)。
そしてゆくゆくは火星の地下のどこに氷が存在しているのか、その量はどれだけのものなのか?という分布図を作成しようと思っています。この地図が出来れば人類の火星の拠点も築けたりしそうですね。

そんなワクワクとした未来が来るように、これからも研究を続けていきたいと思っています。そして、少しずつその研究の紹介もしていければと思っています!
最後まで見ていただき、ありがとうございました。

杉本佳祈
東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻修士1年。研究室はJAXA宇宙科学研究所で、火星の水の進化史の解明のため、火星で見られる特徴的な地形に着目し地下氷の実態を調べている。火星に人類が移住できる未来を目指し、いつか自分も火星に行きたいと思っています!料理を含め、食が好きです(^^)

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