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映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』 テイストとしては「深夜食堂」(ネタバレ感想文 )

監督:内田英治、片山慎三/2023年 日(2023年6月30日公開)

『ミッドナイトスワン』(2020年)の内田英治と『岬の兄妹』(18年)『さがす』(21年)の片山慎三が共同で監督を務めたというふれこみですが、共同監督というより、6つのエピソードを各人が3話ずつ演出したという作りです。

私は上述した作品を一つも観ていないので、どういう特徴の監督なのかは分かりませんが、本作を観る限り「真面目」な人達なのだと感じます。

以前も書きましたが、私、伊藤沙莉ファンなんですよ。

ドラマ『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』(16年)以来の伊藤沙莉ファンだと公言しているのですが、余談になりますが、本当はこのドラマで惚れ込んだのは、伊藤沙莉に振り回される松岡茉優なんですよね。私が(このドラマの)松岡茉優に似て器用貧乏というか頭でっかちで周りの空気を読むタイプなので、自由奔放な伊藤沙莉に振り回される様が可哀相で可哀そうで、涙なしには見られない。
てゆーか、『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』再放送してくれないかな?

そんな伊藤沙莉ファンの私ですから(<松岡茉優のことを語ってなかったか?)、悪く言いたくはないんですけどねえ・・・。

あ、そうそう。この映画の収穫。
私は常々「伊藤沙莉は樹木希林になれる逸材」と言ってるんですが、
この映画で科学者役の宇野祥平は、「天本秀樹」という役名から天本英世になれる「異端」感のある逸材なんだと気付きました。異端感って何だよ。

だいぶ毛髪量が違うけどね

んー、まあ、そういうわけで、悪く言いたくはないんですけど・・・
「伊藤沙莉の生涯で一番悲惨な作品」ともっぱらの評判で・・・
んー・・・否定はしません。否定できません。
擁護派は「B級コメディなんだ!」って言うんでしょうけど、B級コメディの体にすらなってない。B級コメディ舐めんな。

そもそも話が重いんですよ。全然コメディじゃない。
テイストは『深夜食堂』。伊藤沙莉は小林薫。

たぶん上述したように、おそらく監督たちの根が「真面目」だからだと思うんです。
もっと突き抜けてふざけてれば、堂々★1だってあり得たのですが、笑いもシリアスも全部中途半端に感じられます。

だいたい、「宇宙人」って言い出したらヤバいんですよ。
やはり伊藤沙莉の『宇宙人のあいつ』(23年)は観てないけどね。
ちゃんとしたSFなら「地球外生命体」って言うもんだよ。科学者が宇宙人って雑な言い方すんだよ。
だって、『深夜食堂』の客に宇宙人が来てラーメン喰ってたら「何を見せられてるんだろう?」って思うでしょ?これはそういう映画。

宇宙人とヤクザを同時に出したらもうアウトですよ

FBIとか科学者が「地球外生命体」とか難しい専門用語をバンバン使う中、「要するに宇宙人ってことですよね?」と沙莉があっさり言っちゃうようなコミカルさが本当はあるべきだったんじゃないかなあ?
そう考えると、コメディ要素は「外野」ばかりで、主要人物たちは全員「シリアス」。
コメディとシリアス、どっちかでも突き抜けてればなあ・・・。

(2023.07.02 テアトル新宿にて鑑賞 ★★☆☆☆)

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