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映画『リボルバー・リリー』 初めて(今さら)知った。綾瀬はるかはいい女(ネタバレ感想文 )

監督:行定勲/2023年 東映(2023年8月11日公開)

綾瀬はるかがそれほど好きではなくて、いや別に嫌いでもないんですが、「綾瀬はるかだから」という理由で映画やドラマを観ることはないんです。
たまたま観たら綾瀬はるかだったというくらいで。実際、最後に観た彼女の主演映画では「俺ならばっさーを選ぶ」って書いてるしね。
ドラマは何を観たかな?ちゃんと観たのは『白夜行』(2006年)くらいかな?

今回は、行定のアクション映画を目的に行きました。
私は、「行定勲は引き出しが多い」と評しています。映画小僧の彼は多彩な映画の表現手法を持っている。
そして本作は、「こんな引き出しも持ってるんだ」と感心する出来。
ちゃんとした作品でしたし、面白かった。アバンタイトルなんて完璧だよ。

で、結論を言うと、綾瀬はるかカッコいい。綾瀬はるかいい女優。綾瀬はるかいい女(<かなり絶賛トーン)
銃を構える立ち姿が様になってるんです。
特にノースリーブで構える姿がカッコいい。肩から二の腕にかけてが美しい。
「女殺し屋もの」に目がない私が言うんだから間違いない。
「女殺し屋もの」が好きだという話は『ガンパウダー・ミルクシェイク』(2021年)で書きましたけど。

でも『ガンパウダー・ミルクシェイク』は二の腕を出していない。
ガチな肉体を晒したらごまかしきかないからね。綾瀬はるかは丁度いい身体の鍛え方をしている。
そして銃の扱いが堂に入っている。さすが『八重の桜』(13年)。1ヶ月で挫折したけど。
アクションも様になっている。さすが『精霊の守り人』(16年)。1話で挫折したけど。さすが『奥様は、取り扱い注意』(17年)。30分耐えられなかったけど。
ついでに言うと、シシド・カフカも素敵。

「女殺し屋もの」の系統で言うと『グロリア』(1980年)であり『ニキータ』(90年)なんだと思うんです。
でも私は何だか『機動警察パトレイバー 2』(93年)に見えたんです。
小曽根百合とその上司の関係は、南雲しのぶと柘植行人のそれですよ。ということは長谷川博己はカミソリ後藤ですよ。

波ザッパーンの古い東映マークで始まるじゃないですか。
なるほど、これは東映お得意の任侠映画の流れなんだな。
「リボルバー・リリー」は「緋牡丹お竜」。綾瀬はるかは藤純子(<言いたいだけ)。
私は、1人(あるいは少数)vs多数の銃撃バトルが好きではないのですが(そんなもん多勢に無勢に決まっている)、それも任侠映画の殴り込みだと思えば分からんでもない。
(ちょっとやり過ぎだと思うけど)

そしてこの映画、メッセージはあるけど説教臭くないのが良い。
「争いのない世界を」とは言うけど、私の記憶では「平和」という単語は使用していないと思います。だって、そんな外来語は輸入されたばかりで、まだそんな概念は国民に普及していない時代だからね。
安易に「平和」って使う物語は信用しない方がいい。

それに血みどろなのもいい。
血は飛び散ってなんぼ、返り血浴びてなんぼですよ。
ハリウッドじゃ血が出るとR指定になっちゃうから、血が出ないんだ。
R指定の付かないハリウッド映画なんか観る価値がない。

その一方で、「手を汚す人」と「手を汚すべきでない人」をきちんと分かって描いている。
ネタバレになるから詳しく書けないけど、このポイントが分かっているかどうかは重要な点。映画小僧・行定勲の矜持。
立派な映画でした。

(2023.08.11 ユナイテッド・シネマとしまえんにて鑑賞 ★★★★☆)

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