告白されたら返事をしないといけなかったのです。
今日はバレンタインデーだ。
以前、某100円ショップでアルバイトをしていた頃は、1月中旬からレジの周辺がチョコレートや関連用品に溢れ、甘ったるい匂いに包まれながら仕事をしていたから、少なくともその時期が来ていることを実感することができたが、最近ではもうそういうことも無い。
もちろん、当研究室所属の女性陣からお菓子を頂くことはあって、それについては毎年ありがたいと思っている。
さて、バレンタインデーということで、多少の色恋沙汰が絡む私のバレンタインの思い出でも書いてみようと思う。
一番古い記憶で言うと、小学6年生のときだっただろうか。当時の私は、女性に恋愛感情を抱く感覚がまだ無く、バレンタインデーは単にお菓子がもらえる楽しい日、という認識でしかなかった。
バレンタインデーの数週間前、いつも通り友人と一緒に帰ろうと教室を出ようとすると、突然教室の扉が強く閉められ、閉じ込められるような形になった。
教室の前方から出ようとすると、クラスの女子に「出ないで!」と言われて、また扉を閉められてしまった。
何が起こったのかよくわからないでいると、教室の中に一人だけ女子が残っているのに気づいた。同じクラスで、私よりも背が高く、どちらかというとふっくらした体型の子だった。
すると、その子が徐々に近づいてきてから、私のことが好きだ、と言ってきた。
そのとき、私が人に好かれていることなど全く想像していないし、恋愛的感情そのものについても全く知らなかった私は、それに対してどのように返答していいかわからなかったから、「ふぅん」とだけ答えた。
当時、悪気は全く無かったのだが、今考えたらちょっと冷たかったかもしれないとは思う。
その後は他の女子たちが閉じていた教室の扉が開き、無事に教室から解放されて帰宅することができた。
そこから数週間の間、この告白が無かったかのように音沙汰なく日々が過ぎていった。
あのときは、まぁ卒業が近いし、言いたかっただけなのかもなーなどと想像して勝手に余裕をかましているうちに、バレンタインデー当日を迎えた。
その日も特に変わらない日常を過ごし、いつも通り家に帰ってダラダラしていると、家のチャイムが鳴った。
しばらくすると母親がやってきて、「〇〇ちゃんが来てるけど」と言ってきた。なんと、例の私に告白してきた子が、私の家までチョコを渡しにやってきたのだった。
あれ、本当だったんだ~と思った私は、ありがたくチョコを受け取った。
・・・あ、返事してない!と、今現在この文章を書きながら思い出した。
当時、男女が付き合う付き合わないとか、そういう話に全く無頓着だった私は、告白をされたら返事をするものだということすらもよくわかっていなかったのだった。
その後、その子とは中学も一緒だったのだが、ほとんどしゃべることなく、今現在では全く音信不通になっている。
そんなこんなで、実はこんな私にも多少のバレンタインデーエピソードがあったよ、という話でした。
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