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新卒2年目の男性社員が3か月の育休を取った話(1/3) ~自己紹介・育休取得までの経緯~


はじめまして。ペンギンパパと申します。
タイトルにもありますように、現在社会人2年目の25歳男です。
今年7月に第一子が生まれ、その後3か月間の育休を取得しているところです。

今月いっぱいで育休を終え、11月から職場に復帰する予定です。
育休を終えるにあたって、この3か月間で得た知見・感想を記録しておこうと思い、この度noteを始めることにしました。
個人の経験、主観にすぎない内容ですが、今後育休を取得しようと考えておられる皆さんにとって、少しでも何かのご参考になればと思います。

全3回、以下の内容で投稿させて頂きます。

① 自己紹介・育休取得までの経緯
② 育休中の過ごし方・大変だったこと
③ 3か月の育休を取ってみての教訓・今後育休を取得される方へのメッセージ

今回は、「自己紹介・育休取得までの経緯」ということで、私の簡単なバックグラウンドと、育休取得に至った経緯について書かせて頂きます。

【バックグラウンド】


1996年生まれの男です。母の実家がある関西の小さな町で生まれ、父の実家がある北陸の小さな町で育ちました。大学進学を機に実家を離れ、文系の大学院を修了後、2020年4月に新卒で今の会社に入社しました。現在は社会人2年目で、東京に住んでいます。

学生時代から付き合っている同い年の女性と2020年に結婚しました。その年の冬には妻の妊娠が分かり、赤ちゃんが無事に生まれてきてくれることを心待ちにしていました。そして今年7月、元気な男の子が生まれてきてくれて、今は新米パパとして日々奮闘しているところです。

以上が私の簡単なバックグラウンドです。

次に、私が育休を取得するに至った経緯について、時系列で書いていきます。実は、当初は育休を取得しようとは考えていませんでした。

【育休取得までの経緯】


(1) 妊娠生活

~仕事をしながらでもなんとか乗り越えられた妊娠生活~

2020年に結婚し、年末に妻の妊娠が分かりました。夫婦ともに子どもが欲しいと思っていたので、妊娠が分かったときは本当にうれしかったです。

年が明ける頃には、妻のつわりがひどくなり、食事を摂ってもすぐに戻してしまったり、一日中起き上がれなかったりという日々が続きました。妻のしんどそうな姿を見るのはとても辛く、大変心配でした。私は夫として、仕事に行きながら、家事を一手に引き受けて、妊娠中の妻を支えていきました。そうしているうちに妻の体調も次第に安定し、暖かくなってくる頃にはつわりの症状もだいぶ落ち着きました。

4月には私の異動があり、比較的忙しい部署に配属されました。新しい仕事には充実感を覚えながらも、帰宅時間は以前よりも遅めになりました。上司との面談の際に、「7月に妻が出産予定であるため、その時は少し多めに休むかもしれません」と伝えましたが、この時点では長期の育休を取得する予定はなく、次のような予定を考えていました。

(2) 当初の育児計画

~有給休暇と土日祝でなんとかなるのでは?無給の育休は取りたくない…~妻の出産にあたり、当初は次のような日程を考えていました。

① 出産日から退院の前日までは通常出勤(コロナ禍で立会い、面会ができないため)。

② 退院日から8連休⇒1日出勤⇒5連休⇒2日出勤⇒6連休。

内訳は有給4日、夏季休暇3日、有給の育休3日(私の会社では、無給扱いの長期育休とは別に、有給の育休が3日間あります)、土日祝日が9日。

③ その後8月いっぱいは有給を5日程度消化し、週2~4日出勤。

④ 9月から平日5日出勤に戻す。

このように、有給や夏季休暇、土日祝日を組み合わせて休みを多めに取れば、1か月程度で何とかなると考えていたのが当初の(甘い)考えでした。産後1か月程度あれば、妻も子育てに慣れてくると考えていました。また、妻がつわりの時も、私が仕事と家事を辛うじて両立できていたので、妻には子育てに専念してもらい、私が仕事をしながら家事をやっていくことで、どうにか乗り切っていこうと考えていました。

さらに、長期の育休取得には以下のような懸念もあり、これもまた私を育休取得から遠ざける原因になっていました。

① 長期の育休は無給扱いになるため、給与が出ない。

② 職場を長期間離れることで、今後のキャリア、昇給に影響するかもという懸念。(←こちらは後に、上司、先輩方をはじめ多くの方から心配に及ばないことをご説明いただきました。)

③ 忙しい部署の一席を長期間空けてしまうことへの罪悪感。忙しくも充実した仕事から離れることへの寂しさ。

このような考えから、長期の育休を取ることを考えていませんでした。
先述した休暇日程を上司にも伝えて了承をいただき、あとは妻が無事にお産を迎えられるのを待つのみとなりました。

(3) 出産

~無事に出産、男の子が生まれる!~
妻は帝王切開での出産だったため、お産の前日に病院に入院しました。その日の夕方には、電話にてお医者さんから翌日のお産についての説明を受けました。

翌日、いよいよ妻がお産の日を迎えましたが、コロナ禍の影響で病院での立会いができないため、私はいつも通り会社に出勤し、電話で出産の報告を受けることになっていました。

朝から仕事をしつつも、お産のことが気になってずっとそわそわしていたのを思い出します。お昼休みに入るちょっと前、妻の携帯電話から電話がありました。慌てて電話に出ると、相手は妻のお医者さんでした。「無事に男の子が生まれました。奥様の手術も順調に進んでいます。」とのことでした。お医者さんから妻に電話を代わっていただき、元気そうな妻の声、電話越しに聞こえる赤ちゃんの大きな泣き声を聞いて、思いがこみ上げてきました。夕方には妻から赤ちゃんの写真が送られてきました。初めて自分の子どもを見て、父親になったという実感が湧きました。

妻は術後しばらくの間、お腹が痛むものの、それ以外は元気そうにしていたので、私も内心ほっとしていました。ところが、出産から2日後、病院での入院生活が母子同室になったあたりから、少しずつ妻のメンタルが不調に陥っていきます。

(4) 妻の産後のメンタル不調

~出産直後からのマタニティブルー。妻子を2人きりにはできない。~

電話越しに聞こえてくる妻の声は暗く、泣きながら電話してくることが多くなりました。

「赤ちゃんが泣いているのがつらく、自分も悲しくなってくる」

「赤ちゃんが泣いたときに、どうしたらいいか分からず、パニックになる」

「赤ちゃんの目線が定まらず、本当に元気なのか心配」

「沐浴とかお世話の仕方を習っているけど全然頭に入ってこない」

とのことで、

「お世話ができない自分は母親として失格。消えてしまいたい」

と口にするようになりました。


妻は元々心配性なところがありますが、妊婦さんは産後にホルモンバランスが大きく乱れるということも小耳にはさんでいたため、心配になってきました。退院の前日は日曜日で休診でしたが、コロナ対策のため普段は妊婦さんしか入れない病院に呼んでいただき、妻の様子について説明してくださいました。要旨としては、

① 今の様子で1人にしておくと、最悪のケースも考えなければならない

② 精神科でのリスク評価を実施し、それに合わせた対策を取ることをおすすめする

③ 公的機関や民間機関、親戚など、ありとあらゆる支援リソースを検討されたい

とのことでした。

翌日、妻は退院日を迎えました。一旦赤ちゃんは病院に預かってもらい、妻を連れて大学病院の精神科を受診しました。精神科のお医者さん曰く、「奥様が心に抱えている心配は杞憂と考えらえるものが多いものの、母子2人きりの環境に置いておくのは危険です。」とのことでした。精神安定剤と睡眠薬を投与された上で、しばらく経過観察することになり、次の受診日は1か月後になりました。

1か月間、妻と子を見守り続けるとなると、現在の休暇予定では間に合いません。親戚に頼るとしても、お互いの実家は地方にあり、親は現役のサラリーマン、パートとして働いているため日中は外に出てしまい、妻は結局1人きりで子育てをすることになります。また、親世代とは子育てについて価値観の違いもあるので、妻が余計に疲れてしまう恐れがありました。何より、コロナが猛威を振るっていた時期なので、東京から地方への移動が難しい状況にありました。

このような背景があるため、子育ては東京で夫婦2人でしていかなければならず、私は休暇日程の変更を考え始めるようになりました。


(5)1週間の子育てをしてみて

~新生児のお世話は夫婦2人でもかなりハード~

私が休暇日程を考えるようになったのは、もう1つの背景があります。それは、妻の退院後に実際に子育てをやってみて、新生児のお世話を1人でやっていくのは到底無理だと感じたからです。

妻の退院翌日からは元々8連休だったので、早速妻と私とでの子育て生活が始まりました。

新生児の赤ちゃんはミルクを飲んで寝て、またミルクを飲んで寝て・・・を繰り返すのですが、うちの子の場合、2時間半寝てくれればよいほうで、1時間置きに起きてしまったり、せっかく寝ても布団に寝かせた瞬間にまた泣き出したりといったことがしばしばでした。

赤ちゃんが寝ている間に哺乳瓶を洗って消毒をしたり、家事をしたり、仮眠をとったりとしていたのですが、昼夜を問わず2時間ごとに起きてしまうので、妻も私も常に睡眠不足になってしまいました。睡眠が足りないと、ささいなことでイライラしてしまったり、判断力が落ちてしまったりしてしまい、健全な精神状態で日常生活を送ることの難しさを身を以て感じました。

夫婦2人での子育てでさえこんなに大変なのに、メンタルが不調の妻を1人残して仕事に行くことは到底できない。このような状況下で、妻と子の心身の安全を守るのは私しかいない。私はこのように考え、休暇日程を変更することにしました。

(6)上司へ相談。3か月の育休取得へ

~理解のある上司が肩を押してくださった~

妻が退院した翌日、上司に電話をしました。「妻のメンタル面が不調に陥ったため、当初の休暇日程を変更させて頂きたいです。目下、来週1日だけ設けていた出勤日を休ませて頂きたいです。」と伝えました。

ただこの時点では、育休に対する前述の懸念があったため、育休取得ではなく、今年度の有給を使い切って8月半ばまでの休暇を考えていました。

後日、上司が自宅近くのカフェまで来てくださり、今後の方向性について直接相談させていただく機会を設けてくださいました。私としては有給を使い切って1か月程度休むことを考えていたものの、「子どもが熱を出したりした時のために有給は残しておいたほうがいい」と上司からアドバイスを頂きました。そして、「いっそのこと長期間の育休をとってはどうか?3か月でも年度いっぱいでも、1年でもかまわない。」と言ってくださいました。

長期間の育休を上司から勧めてくださったことに驚きを覚えながらも、家族の心身の安全は仕事には代えられないと考え、上司からの提案に甘えて3か月の育休を取得することにしました。「仕事は何とでもなるけど、夫は君しかいないから。子育ても今しかできないし」と言ってくださった上司からの言葉は忘れることができません。

【まとめ】

以上が、私が育休を取るに至った経緯です。まとめると以下のようになります。

① 元々、妻の出産・退院直後は有給等を組み合わせた2週間程度の休暇を取得し、その後は育児を妻に任せ、家事を私が担うことで乗り切ろうと考えていた。

② しかし、出産直後から妻のメンタルが不調に陥り、1人にさせておくのは危険だとお医者さんから伝えられる。それぞれの実家での子育ても考えたが状況的に不可能であり、夫婦2人で東京で子育てをしていかなければならない。

③ 実際に数日間、新生児のお世話をしてみた。夫婦2人で子育てをしていても寝不足になり、正常な日常生活が送れないと実感した。妻1人に子育てを任せて仕事に復帰するのは不可能だと確信した。

④ 休暇を1か月間に延長しようと考えたが、上司から長期の育児休業の取得 を勧められる。

私の場合、自発的に育休を強く希望したわけではなく、家庭状況を理解してくださった上司から勧められて育休取得に至ったので、よい上司・職場に恵まれたとしか言いようがなく、かなりラッキーな事例なのかもしれません。それでも、今振り返ってみると3か月の育休は本当に大事な期間だったと思いますし、たとえ妻がメンタル不調にならなかったとしても、新しくパパになった男性全員が少なくとも生後1か月半までは、育休を取るべきだと考えるほど、赤ちゃんのお世話は大変でした。

具体的にどんなことが大変だったかについては、次回の投稿で書いていきたいと思います。


最後まで読んでくださいましてありがとうございました。

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