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今回の父の入院でたくさん思ったり考えたりしたこと

実家の父が思わぬ転倒で救急搬送されて、腰椎の圧迫骨折でまだまだ入院生活は続いている。

母ひとりを実家で過ごさせるには、不安な点があるので、兄と相談して母の希望も聞いた上で、私と娘が実家に退院まで滞在が決まった。

母は、もうすぐ80歳。

骨粗鬆症の影響で、背骨の二か所が圧迫骨折しているから、背中が曲がっているし、お買い物で重いものを持たせると辛そうにするしね。

昨年の2月に軽度の脳梗塞で入院して、後遺症なしで退院したけれど、ひとりにはできない。

夫が「僕ひとりで留守番というか家事できるし、休みの日はお母さんがよく行くスーパーに買い出しに連れて行ってあげる」と言ってくれたので、非常に助かっている。

兄も週1にきてくれて、リモートワークしながら、母が行きたがっているところや、病院に行ってくれて主治医に様子を聞きに行ってくれている。

退院後、介護保険を使う必要があるかもと言われて、介護保険利用の申請していた。

申請から決定まで1ヶ月半かかるので、早めに申請しておくのがいいかなってわけで、私が申請者になって市役所に手続きした。

病歴から今診察を受けている病気などたくさん聞かれるので、兄より私が適任だったようだ。

しかし、主治医からの回復の話から、介護保険利用の申請を取り下げることになった。

少しずつ歩けるようになっていることや、介護ベッドを使うことはないだろうという判断で、取り下げ申請はあっけなく終わった。


面会可能時間は、一応書いてはいるけれど、事実上面会はできない。

クラスター感染を怖がっていて、整形外科だったら果物の差し入れぐらいは許可されるのに、今は「ぜーったいダメ!」になっている。

バースデーケーキ

4月中旬は、父の誕生日だったのだけれど、当然ケーキの差し入れも禁止。電話で寂しそうな父の声がした。

ちょど免許証の書き換え時期で、更新前の講習を受けて全て大丈夫だった。私の実家あたりは、車がないと生活できない地域で、高齢者ドライバーは結構多い。

そりゃ怖い運転の人はいるけれど、父は何も問題なしで実技審査をした教官さんをビビらせたらしい。

私も免許は持っていて、運転はできるけれど、今は目の治療をしているので、周囲から「今だけは運転はやめろ」と言われた。

※主治医に聞いたら「別にしてもいいですよぉ」とは言ってたけれどね。


車がないと、我が実家は本当に大変。

大都市だと車はいらないらしいけれど、田舎町なので、車がなければ、イオンモールや大きなスーパーやホームセンターなんて行けない。

実家はすでに2人とも自転車を乗らないからと処分していたので、兄が余っている自転車を持ってきてくれたけれど、自転車でもちょっとした買い物は難しい。

母が通っている病院なんて、送迎バスをうまく利用しないと、タクシーを呼ぶしかない。

私の夫が、結婚前に両親へ挨拶に来てくれた時も「ペンさん、電車からの風景がどんどん田んぼになったのにはびっくりした」というぐらいだから、相当田舎だと今でも思う。


めんどくさいことはそりゃある。

まだまだ隣組というめんどくさい制度が生きている。あー、若い人からすれば、とっつきにくいことはたくさんある町だ。

でもね、まだまだ古き良きものがあって、私は都会よりも田舎町でいる方がいいと思う。

スーパーのレジ

両親がよく行くスーパーは、スマホにポイントアプリを導入していて、iPhoneにしたばかりの父は、スマホを必死に操作して、ポイントを入れてもらうのを楽しみにしていた。

久しぶりに母が兄に連れ出してもらって、そのスーパーでレジを打ってもらっていると、店員さんが父の顔を覚えていた人で「どうしてはるの?お父さん来てないねぇ?」と声をかけてくれたそうな。

事情を説明すると「まぁ!大変やん!お大事にしてね」と、言ってくれたそうで、母はちょっと泣いていた。

父は、前立腺がんを患っているけれど、なるべく歩くようにしていたので、突然父を見かけなくなって心配していた人がたくさんいると、つい最近知った。


幸い、うちの両親は誰にも迷惑をかけたり、嫌われるようなことはしていない。

中には暴言を吐く人や無茶苦茶なことを言う人はいるけれど、それまでの人生の積み重ねなんだろうなぁとは思う。

2人とも「元気、元気!大丈夫」とはいうけれど、肉体的な面ではほっとけない。

私が比較的近くに住んでいるとはいえ、今住んでいる家からはできるだけ離れたくないと2人ともいう。

離れてしまえば、古くからの友達と離れてしまうし、なじみの店からも離れてしまう。

無理に引き離すというのは、かわいそうになってしまう。

私自身も、ちょうど50歳になって、いろんな病気はしてるし、今は緑内障の疑いはあるし、勉強だって要領よくできない人になった。

「老害」とかいう言葉はあるけれど、それって一部の人がすることであって、実はほとんどの人が大変だと私は思う。

たまたまご老人が多く通う病院に、私が通っているせいか、「老い」というものについていろいろと考えさせられることは多いからだ。

「いろいろ」というのは、一口には言えない。ご老人にしかわからない世界であって、私たちでも理解が難しいことがあって、そしゃくまでに時間がかかるから、「あー、めんどくさいなぁ」ってなるんだろう。


そして、今度は母の歩き方で、少し問題が出ていて、歩行器を使った方がいいかを兄と相談している。

以前から整形外科の先生から「そろそろ歩行器使う?」と言われていたけれど、「恥ずかしいからいや」と拒否していた。

整形外科の先生が書く意見書次第によるけれど、介護保険でレンタルできる可能性はあるらしい。(確定ではないけれど)

この手のはよく見かけるけれど、母はこれを使うことにかなり抵抗感はあるらしい。そりゃそうだろうと思う。
(ちなみにこのタイプは介護保険では使えないそうな)

まぁ、いろいろとわがままを言ったり、困らせることは言うけれど、私も置いてきているし、母なんて、背中が曲がっていてもカボチャを切ったり、お料理や洗濯をきちんとしているからすごいと思う。

今回の入院は、どのぐらいの期間になるかは、まだはっきり決まっていないけれど、父が元気に帰ってきてくれるのを待つだけ。

一番、家族でストレスに感じているのは、面会一切禁止で、どうすごしているのかが気になることだ。特に高齢なのだから、1人でかなり不安だと思う。

美味しいご飯や魚の刺身、遅れてしまったお誕生日ケーキを食べさせてあげたいなぁと思う。

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