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夏休みの匂いがする。
夏休みの匂いがする。
子供の頃には、夏休みに匂いがあったんです。
他にも、朝の準備、登下校、午前の授業、午後の授業、休み時間、親が帰ってくるまでの留守番の時間。みんなみんな匂いがあったんです。
いつからか、匂いはしなくなって、体も心も季節の流れに追いつけなくなってしましました。
でも、ふと思い出すときがあります。
夏休みの匂いがする。
あの頃の夏休みなんてもうなくて、戻りたいと願っても叶わないのだけれど。
夏でもないのに、思い出したりします。
その度に立ち止まって、鼻から大きく息を吸ってみるのですが、
夏休みの匂いはしません。
それがあったことは思い出せるのですが、
どんな匂いだったのかが思い出せないのです。
夏休みだから、
青い葉の匂いかな。
それとも汗の。
いや、宿題の紙の匂い。
むぎ茶。海。お祭りの屋台。
なんだろう。
汚い欲が出てきて、それを追いかけてしまうのですが、
それは一向に掴める気配もなく、
そんな科学的な考え方をしてしまう自分が
思い出を台無しにするのです。
そして嫌になって
考えるのをやめてしまいます。
夏休みの匂いがする。
いつか子供ができたら、聞いてみたいなぁ。
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