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絵本『だれでものいえへ』ongoing project vol.06

出版社から絵本を出版することについて

さて、絵本を作る・出版するには、2つの方法があります。
ひとつは出版社から依頼を受けての出版。もうひとつは自費出版。
ここではわたしが出版社から絵本を出版していただいたり、できなかったりしたお話をしたいと思います。

・出版社から出版する。

わたしは今まで2つの出版社から絵本を出版させていただいています。
土井さんのワークショップで制作した絵本ラフを出版社に持ち込んで出版できたもの『おめでとうおばけ(大日本図書)』。

初めて作った絵本です
とても怖いと評判です、、、
おばけが好きな子が、好きだと言ってくれます


土井さんのワークショップで制作した絵本ラフを、土井さんが出版社に繋げてくださったもの『まんじゅうじいさん(絵本塾出版)。

2冊めの絵本『まんじゅうじいさん』
『まんじゅうじいさん』が食べてくれるひとを探す旅の
お話です


どちらも半年かけて絵本のラフを制作して、仕上がりまでは2年近くかかっています。
出版社、編集者さん、担当者さん、プロフェッショナルの皆さんと伴走していた期間は楽しくて苦しくて、何よりとても勉強になりました。今でもとても感謝しています。
もっともっと、この本たちを売ることを頑張らなければ。

・制作しても出版できないこともあった


実は時間をかけて制作したものの、出版できなかったものも何冊かあります。
出版社の依頼を、わたしが物語の形にできなかったり、制作中に世の中に類似のものが出てしまって、その先の組み替えが上手くできなかったり、どれもわたしの力量不足としか言いようがありません。
絵本の制作には2年くらいかかることもあり、成果を出せなかったときにはそれはそのまま、自分で引き受けなければなりません。けれどそれは同時に、出版社にも痛みがあったのですから、泣き言は言えないと思います。

出版社から出版するということは出版社が作家に『お金をかけてくれる』わけで、それはほんとうにすごいことで、だからハードルも高く作家の力量が試されるし、運の悪さなどのリスクもあり、その場合は作家の経済的精神的体力も重要になってくるように思います。
担当してくださった出版社さん編集者さんには、目をかけてくださったのに絵本を完成できなかった自分の不甲斐なさを申し訳なく思うと共に、それでも多くの時間をかけて学びを伝授してくださって、成果は出せなかったけれど成長させていただいたことを、深く感謝しています。

・出版社への持ち込み


昔(30年くらい前)出版社へ企画を持ち込むには、出版社へ直接アポイントをとり、企画書を見ていただくという方法がありました。
出版社の門を叩くことが『度胸がある』なんて評価されることも。
そこで編集者さんが『面白い』と思ってくれれば制作がスタートし、出版できたり出来なかったりしたのです。
この『面白い』とは、『世の中に刺さると思われる』という編集者さんの目利きですが、今は作家が先にネット上で作品を発表し『世の中に刺さっている』状況を作ることができ、出版できる実力を見せることができるようになってますね。
良さもあるし、だからこその大変さもあると思います。
世の中はこの30年で、ほんとうに大きく変わりました。

さてもうひとつの出版方法の『自費出版』。
今回の『だれでものいえへ』は、こちらの方法になります。
ただ本当の『自費』ではなく、クライアントから経費を賄っていただいているんです。
その経緯を次回書きたいと思います。 

つづく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2024/09/09
ペレカスブック新井由木子
記事の制作公開は、編集者土井章史さん、クライアントこども応援ネットワークPineさんのご了解をいただいています。
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リアタイでは、ひたすら作画中
他にご依頼いただいているデザインの仕事と頭の切り替えをするのが難しいです

記事:ペレカスブック店主イラストレーター・デザイナー:新井由木子
ペレカスブックは埼玉県草加市の小さな書店。
実店舗は2023年5月にクローズ。新店舗を持てるように奮闘中です。

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