カブーレから見える共生の本質
親子、高齢者、旅行者、障害者を中心に様々な境遇の方々が交流する「ごっちゃまぜ」の交流する場所がある。
石川県輪島市にある「輪島カブーレ」。
ここには温泉やカフェ、レストラン、農園、デイサービスなど高齢者と障害者が無料で利用できる施設が共存している。
ゲストハウスには観光客やビジネスマンが宿泊し、親子カフェでは高齢者が本を読み、子供たちと触れ合う。
人口減が進む石川県輪島市では中心市街地の空洞化が進んでいる。
2015年、内閣府の地方創生事業としてカブーレは始まった。
「理念は良いが、輪島でなくても」という声も多かった当初だったが、徐々に理解が進み、2018年には空き家などを活用し、家や職場、学校ではない「第三の場所」が完成した。
年齢や性別、障害の有無など関係のない人々が集い、寝食を共にする。
異なる人々が集うことで社会は再生するのかもしれない。
不安だらけになった現代社会では、時間を管理して、時間を効率的に使う思想がよしとされた。
そんな社会では人と付き合うことを忘れていき、やがて孤立感だけを深めてしまう。
アフリカの狩猟採集民は家も道具も食料もなんでも自分で生み出せるのに、互いに協力・分担し合って生き、幸福感を得ている。
現代社会では、多くの人が職場と家の往復で、生産的な時間を離れて他者と交流する時間が少ない。
情報武装された社会では情報ばかりに頼って自分の時間を生きているので情緒的な社会性が鈍ってくる。
大事なのは言葉ではなく身体の共鳴。
一緒にスポーツをしたり、本を読んだり、料理をすること。
共同作業することでほっとした幸せを感じられる。
夫婦においても共同作業というのが信頼関係やお互いを大切にしていく架け橋となるだろう。
だから、仮にパートナーが離れていたって、年齢差があろうと、互いに協力して、負担を分担することが出来れば問題に直面しても乗り越えられるはずだ。
ただでさえ不安に埋め尽くされた世の中で、定住と所有、貯蓄が生まれ、弱肉強食社会をつくってしまい、格差は拡大している。
そんな世界を生きていく上で、小さなコミュニティーに属し、そこを渡り歩きながら新たな自分を発見し、不安を解消していく。
そんな時代はすでに到来しているし、若い人たちこそ賢く実践しているのではないだろうか?
輪島カブーレのような取り組みやコミュニティーが引きこもりの方々、子育てで孤立する方々を救う手段として機能して欲しいと思った。
今回の参考記事↓
【ココナラでお話聞き屋さんやってます】
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