コーヒーブレイク

「社長は現場とカイリしているんだよ」と感じるところに…

 仕事もプライベートも充実するカギとなる「パートナーシップ」に特化したコーチング&トレーニングを提供するHOSUが、皆さんがパートナーシップでより大きな結果を得られるように、いろんな切り口で投稿しています。

 noteマガジン「パートナーシップを磨く」連投70日目。

 「上下関係があると、パートナーシップは組みにくい」というのは幻覚だ(笑)ということを、69日目に触れました。

 今日は会社でのパートナーシップについて探ってみましょう。
 昨今は、フラットな関係性の中で仕事が大きな成果を出せるように、組織の形態も多様化してきました。特に、IT企業では、社長室を設けず、社員と同じフロアでデスクを並べて仕事をするケースも増えており、昔のようなピラミッド型の組織とは見た目にも異なる組織も現れつつあります。

 とはいえ、まだまだ、ピラミッド型の組織が主流を占めており、企業のみならず、官公庁、学校、病院、NPO法人など、職位が高くなればなるほど権限が大きくなるという形がほとんどです。

 で、まず、注目したいのは、「現場スタッフは経営者との間にパートナーシップを感じているか?」です。
 よく、「トップは現場のことがわかっていない」「トップが方向性を示してくれないと俺たちは困る」という声を耳にします。たしかに、聴く耳を持たない経営者もいます。経営会議で「良いアイディアはないか?」と質問されて、考えたアイディアを提案すると「それはダメだ」と否定するばかりの経営者もいます。そんな経営者だと、現場スタッフはパートナーシップを感じられないでしょうね。

 そういえば、アメリカには、「18 second Doctor」という言葉があるそうです。「医師は18秒で話を切る」という医師への皮肉を含んだ言葉だそうですが、もしかしたら、そういう経営者もいるかもしれませんね。そんな経営者は、「18 second CEO」とでも命名しましょうか(笑) そんな相手を信頼できるか、話している間にパートナーシップを感じるかというと、少々、難があるでしょう。

 そして、ここからは、あくまでも個人的な経験と見識に基づいた見解を述べます。

 「経営者に難あり」ということ、あると思います。それが、経営者=創業者であれば、なおのことどうにも出口の見いだしようがないと感じることでしょう。
 ただ、人は変化する生き物です。というより、変化し続けている生き物ですね、本来は。生物学上、毎日、細胞は死滅しては再生し、それを繰り返しているわけで”固定”されているわけではありませんし、人の価値観も歳を重ねるごとに変わりにくくなるといいますが、変わらないわけではありませんしね。

 で、そういう経営者をこちらが諦めたときに、変わる確率は一気に低下するわけです。何もせずに、しばらく様子を見てみても、変わらないことはすでに多くの機会で経験済みのはずにも関わらず、わたしたちは「しばらく様子を見る」という選択肢を捨てませんね。その結果、変わらない経営者をみて、またイライラが募る。

 経営者には経営者に見えている景色があり、現場には現場に見えている景色がある。
 だから、本来は、お互いに相手の景色で見えていることに耳を傾ける必要があるんですが、パートナーシップに欠けると、もはや攻撃のやりあいです。「会社の危機を自分事だと思っているのか!」vs「現場のことまったくわかろうとしていない!」のバトルほど、生産性の低い議論はないなと思います。生産性を向上させたければ、システムを刷新するまえに、まずこのパートナーシップを創作することが先じゃないか???って本気で思っています。

 俯瞰してみると、もはやどっちもどっちです。
 「経営者は現場の些末なことを知る必要がない。それは現場に任せるべき」という考えの経営者もいるでしょう。だったら、「大局は経営者が考えることだから、俺たちに丸投げするような指示をしてくるなよ」という現場の態度に、文句を言うべきでもないでしょう。
 「俺たちの切実な現場状況をもっと知ってほしい」という考えの現場スタッフもいるでしょう。だったら、「収支を改善するためのアイディアを考えてこい」という経営者の意見に、文句を言うべきではないでしょう。

 パートナーシップは、「共通の方向性」があり「対等」であることで成り立ちます。
 経営者と現場スタッフのパートナーシップ(立場を超えて、会社の収支バランスの改善、現場マネジメントの向上を、自分事として受け取り、対話できる関係性)は、一緒に創るもの。どちらか一方が、上に立とう(会社の方針に従え!)としたり、下に入ろう(それは会社が考えること!)としたりするのは、まったくもってお互いのクビを締める行為なので、「あ、いま自分がそうしているかも?」と気づけるようになることが、経営者と現場スタッフ、どちらにも”平等に”求められるのかもしれませんね。

記事に価値があると認めてもらえることは、何より嬉しいですし、とても力づけられます。いただいたサポートはパートナーシップの価値が大きくなる使い方につなげます。