何がいる!?
2024.07.26
ぺぎんの日記#112
「何がいる!?」
嫌な夢とその後だった。
家の中でポルターガイスト現象的なことが立て続けに起きる。
2階から大きな物音。階段を何かが駆け下りてくる。階段の横においてあった物が蹴散らされる。廊下を横切る黒いモヤのようなもの。勝手に開くドア。引き裂かれるソファのクッション。リビングの中の色々なものが、揺れたり壊れたりする。
私の慌てふためく声を聞いて、父が大きなバスタオルを持って走ってきた。
父は持ってきたバスタオルで、その黒いモヤのようなものを捕まえる。布の下で、何かが外に出ようと暴れているのが分かる。モヤなのだが形はあるようで、スルスルと流体のように零れ出て来たりはしない。
父1人では抑えきれないようなので、私も力づくで押さえつける。母も、妹も出てきてバスタオルの中の何かの動きを制限する。
そのまま何とかしようと、4人でそいつを移動させる。バスタオルの中に閉じ込めたまま、廊下を通って私の部屋の前まで持っていく。必死。バスタオルの中でブルブルと嫌な挙動をみせるバケモノ。逃がしてたまるかと、力が強くなる。
私の部屋の前に着いた。父がドアを開ける。入りたくないと抵抗するバケモノを力で押さえつけ、4人とも叫び声をあげながら、それを私の部屋に押し込む。「ドア閉めて!」誰が叫んだのか分からない。バケモノの全身が私の部屋に入った瞬間、バンッ!とドアが閉められる。
その瞬間、バッと目が覚めた。リアルの私の部屋に、意識が引き戻される。
えっ。
夢から覚めたのだと分かった瞬間、身体が強張る。
この部屋に、私は何を押し込んだの。
布団をかぶった体全体に、ジトッと嫌な汗をかくのを感じる。呼吸が浅い。
首を、目が冷めたときの状態から動かせない。動こうとしている意志と、外界に集中するために1ミリも動きたくない本能がせめぎ合う。なぞに足もしびれているようで、早く動かしたいのだけれど、やはりそんな勇気はない。
どのくらい経っただろうか。
だんだんと、夢と現実がしっかり分離していることを理解し始めて、身体が動かせるようになってくる。
背中から腰にかけての汗が気持ち悪い。
呼吸を落ち着かせて、汗は我慢し、しかしまだちゃんと怖いので、薄い布団で足まで全部隠して目をつむる。
いつの間にか眠りにはつけたようだった。
朝は無事に起きることができた。
いや流石に、夢の中で自分の部屋にヤバいものを押し込んだ後に、部屋で目を覚ますってそりゃ無いよ…。
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