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【時々エッセイ】猫の手ざわりは魔法でできている 66

家の中を片付けていると、懐かしいものが出てきます。
回想でたびたび手が止まります。
ジョルジュの歴代首輪、ボロボロのヴィンテージもの。
この家で生きた歴史が刻まれているような気がして、ボロボロでも捨てられません。
いつか一堂に会した放射状のデザインで額に飾ろうかと思っています。
歴代の爪とぎ。
段ボールの層をギチギチに重ねたチープなものから、ちゃんとしたそれ用の材質までさまざま。
ボロボロだけど、爪とぎとして使った形跡はなく、歯型と咬みちぎり跡だけ。
なのに何となく置いてあって、それをああ、ここにあったんだと言ってまた戻す私。
何の為の片づけなんでしょうか。
それは、猫に邪魔してもらうためです。
何かいつもと違う事をしていると、猫が興味を持って寄って来てくれます。
ママが片づけをしているなんて、とても珍しい出来事なので近くに来てくれるわけです。
で、集合してからの行動はというと。
集めた物は踏んで散らかす。
置いたものは倒す。
どかそうとしている物の上でゴロゴロ寝転ぶ。
ものをくくろうとしている紐にじゃれる。
そうこなくっちゃ。
ジョルジュ、ルネ、モネ、来てくれたのね。
もう邪魔してくれないかと思ったよう。

ついに箱に入ってくれたところを撮影

隅っこから見つけ出したボールを転がして、さあ、これを追いかけて思う存分遊んで。
ところが、みんな、目で追うだけで動かない。
ジョルジュは元々遊ばなかったけど、家に来た当時はルネもモネも夢中で追いかけて遊んでいたのに。
考えてみたら、ルネもモネも今は、ジョルジュが家に来た時よりも歳が上になっています。
大人、というよりおっさん。
ボールを追いかけまわして遊ぶ歳ではなくなったという事でしょうか。
何だか、寂しいです。
せめて、紐や猫じゃらしで遊んでくれているのが、精神年齢を追い越してしまった飼い主への家族サービスでないことを祈ります。

可愛さ相乗効果

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