見出し画像

自己啓発本を読むべきでない人の特徴

最近になって自己啓発本※の王道である「人を動かす」や「7つの習慣」を読んだ。

※自己啓発本
・人間の能力向上や成功のための手段を説く、自己啓発を目的とした書籍。
・主に人生について取り扱う分野であるため人生書の一種とも考えられ、人生指南書などの表現も存在する。         
             -wikipediaより引用

こういう自己啓発本はものすごくためになることが書いてあるけど、ふと疑念も湧いてきたため、色々と考えてみた。

その結果、むしろ読まない方がいい人がいるんじゃないかという結論に達した。

○自己啓発本を読むべきでない人

具体的に以下の2つが当てはまる人は、自己啓発本を読むべきではないと思う。

・自己統制力※が低い

・自責思考※が強い

※自己統制力
自分の感情・行動をコントロールする力
※自責思考
問題の原因は「自分」にあると考えること。
これが強すぎると、自分を咎めることに繋がる。

この2つが当てはまる人は
自己啓発本を読むほど、むしろ自己肯定感が下がる可能性がある。

その理由と対処法についてこれから書いていく。

○実践が難しい

先程あげたような自己啓発本を読んでみると、
素晴らしいことが書いてあり、納得感のあるものばかりだ。

ただそこには大事な真実が欠けている。
それについてまず話したい。

例えば、「人を動かす」で紹介されている重要な考え方に
他人を非難も批判もしない。長所を褒める
というのがある。

この本によれば、
「人は誰しも自分が悪いとは思わない」という。

(具体例として、
アメリカの大量殺人鬼でさえ、死刑になる最後まで自分が被害者であるかのような発言をしていた、というのが挙げられている。)

このために人は他人から批判を受けても
それを真に受けないどころか、その批判をしてきた相手に対する強い敵意が生まれるだけだ、と。

それであれば批判・非難することに意味はなく、長所を褒めてあげれば良い。
それにより人間関係は向上するということだ。

でも実際問題として、
ものすごく身勝手な行動をする人や、他人を批判ばかりする人を見かけたら、
多くの人はそれに対してネガティブな感情を抱く。
もしその言動が自分に向けられたものなら尚更だろう。

そんなときでも自分は一切批判・非難しないためには、相当な自己統制力が必要になる。

これは一例だけど、
ほとんどの自己啓発はこの問題に行き着く。

簡単に言うと、
言いたいことは分かるけど、まあそれができたら苦労はしないよね。
っていうこと。

そういうわけで、
多くの人にとって、啓発内容を実践するのはかなり難しい。

○理想が肥大化する

自己啓発本に示された内容には考え方・生き方の理想が描かれており、正直ほとんど反論の余地がないことも多い。

先程の「人を非難しない」というのも、
その難しさを度外視すれば素晴らしい考えだと思う。

そのため、その考え方自体は「あるべき理想像」として頭に浸透してくる。

つまり、自己啓発本を読めば読むほど、知らぬ間に頭の中で理想が積み重なり、肥大化していく。

○読めば読むほど自己肯定感が下がる

以上をまとめると、
自己統制力が高くない人(実際にはほとんどの人)は実践するのがかなり難しい。

その一方で、頭の中の「理想」は肥大化する。

こうして現実と理想の自分との乖離が大きくなる。

それでも仕方がない、まあ現実はそんなもんだろうと思える人なら別に問題はない。

でもそこに強い自責思考が加わると、

「理想はこうあるべきなのに、それを実践できない自分はダメだ。」

と考えてしまう。

その結果、自己肯定感が下がる。

○対処法

そうならないための僕なりの対処法を書く。

身も蓋もないことを言えば、

・自己統制力を高めて実践の成功率を上げる。
・強すぎる自責思考を弱める。


ってことになるけど、
その結論で良いなら、自己啓発本と同じで
「できたら苦労はしない」って話になる。

それだと意味がないので、そのマインドは変えないままできる対処法を書く。

対処法は実践が難しいことを「自覚」すること。

これまた当たり前のことのようで申し訳ない。

例えば
「1ヶ月後に東大の試験を受けて合格してください。」
と突然言われ、それに失敗したとして、自己肯定感が下がるか考えてほしい。

もちろん、努力して失敗したのなら落ち込んだり、悔しい思いはあるかもしれない。

でも東大に落ちたことで
「自分はなんでこんなにダメなんだ」とまで思う人は少ないはずだ。

むしろ挑戦した自分を讃える人もいるだろう。

それは東大が「日本で一番難しい大学」であることを知ってるから。

自分がショボいではなく、相手が手強いと自覚しているから。

だから啓発内容を実践するのが本来めちゃくちゃ難しいことを知っているだけで、気の持ちようはだいぶ変わる。

まあこれに限らず、
自分が挑戦していることの客観的な「難易度」について考えるのは、自分の肯定感を保つのに有効だと僕は思う。

実践が「難しい」ものだと自覚があれば、

・実際に実践できてる人ってまだ見たことないな
・素晴らしい考えを知れただけでも成長だ
・変えようと努力してること自体が偉いな
・すぐに実践できなくても時間をかけてゆっくりやれば良いか
・本に書いてある内容の1つでも実践できたら儲けもの

といった前向きかつ余裕のある発想が生まれやすい。

○自己啓発本が持つ依存性

それにしても、自己啓発本にはつい読み進めたくなるような魔力がある。

それは、読んだ直後に自分が高尚な人間になった気になれるからだと思う。

理想的な考え方を知ると、
「これができれば自分はすごい人間になれる」
と感じる。

自己肯定感が上がった気になる。

それが気持ちよくてつい読み進める。

でも翌朝になれば、昨日と何も変わっていない自分がいる。

そして、実践できない自分に嫌気がさし、自己肯定感が下がる。

そんな自分を変えたくて、また自己啓発本を読み進める。。。

そんな依存のループに陥ってる人もいるのではと思う。

さっきの対処法をやるにしても
自己啓発本を習慣のようにガンガン読むのは個人的にはオススメしない。

まあそれは個人の自由なので止める術はないけど、
せめてここまで語ったような自己啓発本を読むことのリスクについてそれぞれ考えてもらえたら嬉しい。

今回の話はこれでおしまい。

最後まで読んでくれてありがとう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?