新感覚のミュージックリモコンができるまで
ふと感じた不便がアイディアに。新感覚なミュージックデバイスを自宅で開発。「PEBLWEAR ウェアラブルリモコン」の開発背景について振り返ってみたいと思います。
サイクリングが趣味の私。
何かにつけて自転車で行こう!という発言に家族はすこしあきれ顔だったりするのですが、この習慣は今でも続いています。平日の仕事でため込んだストレスを開放するために、愛車のマウンテンバイクで朝イチ、ひとり森へ向かう途中。ポケットに入ったスマートフォンから何気なく流れてくる、いまひとつしっくり来ない音楽を聞きながら風を切る中で、いつも、なんとなく感じていることがありました。
一日、いや人生の様々な瞬間に音楽はいつだって私たちの背中を押してくれる。そんな何気ないけれど「大切な瞬間」を後押しする音楽を、もっと自由に楽しめるようにならないものだろうか。
考えてみれば最近は音楽サービスで手軽に何万曲もの楽曲が聴けるようになった。オススメされる曲も結構趣味に合うようになってきたし、新しいアーティストの楽曲との出会いも増えた。そうして利用することが多くなった、「おすすめプレイリスト」には《これじゃない体験》があるのも事実。そんな時に脳内シャッターを閉じ、音楽を聞き流す自分がそこにはいました。
音楽操作は、タッチスクリーンをはじめ、イヤフォンやスピーカー、スマートウォッチや音声コマンドに必ず搭載されている機能。なのになぜ。
これです。
最近のデバイスの至る所に、いわば便利機能として搭載される音楽操作の機能。でもメインの機能ではないので、操作にはちょっとひと手間あったりします。
昔のiPodやMD、CDの様にボタンでポッチっと1発で操作できるようには、なかなかなっていない。
理由はさておき、現代の素晴らしき「おすすめプレイリスト」をもっと自由に楽しめるようにという想いひとつでプロトタイプ制作をスタート。目指すは従来の音楽用リモコンの操作性+タッチスクリーンに初めて触れた時の感動。ランニングや自転車に集中していても簡単に扱える操作性。
ポチポチ押して調整ではなくて、指を滑らせると「ずい〜」っと音量が変わるミキサーのボリュームノブのような感覚や、写真を横にスワイプすると「シュッ」と次に送ることができるあの感覚を、いつでも手の届くところに実装したい。
シンプルなタッチ操作で基本的な音楽操作を、ノールックでサッと行えるリモコン。デジタルに埋もれてしまった音楽インターフェースをウェアラブルにするためのプロトタイプ制作が個人の週末プロジェクトとなり、アイディアが一気に現実のモノとなりました。深夜自宅の一室。ポケットから指先一本で、楽曲が次々に変わり、丁度いい音量でスマートフォンのスピーカーから心地よく音楽が流れる、その瞬間を迎えたのでした。
その後はマウンテンバイクで山へ向かう途中、仕事の休み時間、旅行先でも常にポケットの中に収まり、(打ち合わせ中に突然音楽の再生が始まったり、ポケットに入ったまま行方不明になったり、落下させてしまったり、雨に降られたり、洗濯をしてしまったこともありましたが、そんな不測の事態への事への対応も含めて)より一層思い通りの音楽操作を実現するために、ゆっくり着実に使い勝手の進化を続けてきたミュージックリモコン。
PEBLWEARがあれば指先一つ、気分に合った曲にも音量にも自由自在に調節できます。
PEBLWEAR ウェアラブルリモコンの特徴
新感覚。手元を見ずに触るだけでタッチ操作の感触が伝わる曲面形状。ポケットの上からも操作が可能。
全ての操作が指先の小さな動き一つ。街から山までどんなアクティブシーンでも音楽をコントロール。
ポケットに入れてもかさばらない小石サイズ。重さわずか20g。ボタン電池、省電力でずっと使える。
心からおすすめしたい、新しい体験
身体から湧き上がる血流と汗。風を切って大地をかけるスピード感。気持ちを高めるアップテンポなビート。今日の仕事を最高の状態まで高めよう。一日の始まりの心構えに応えるように進む、爽やかなテンポ。
いまこの瞬間には少しアンマッチ。手を移した指先の動きに絶妙にリンクする、スピーカーから流れ出るサウンド。ここぞという高まりに、グッと上がるサウンドの量感。すこし集中したい、ふと訪れる静けさ。
長きにわたってヒューマンユーザーインターフェースを開発してきたノウハウを活かし、これまでになく心地よく、自由で新しい音楽体験が仕上がりました。
もう立ち止まらなくていい。
いまこの瞬間に、ベストな曲を、ベストな音量で。
この体験を広げ、世界の人々のチャレンジやクリエイティビティーを音楽で後押ししたい。そんな想いをミッションとして、PEBLWEARウェアラブルリモコンをお届けしています。
PEBLWEAR | クリエイター
赤塚 雄平
■ PEBLWEARついて
2022年度グッドデザイン賞受賞。1点ずつハンドメイドのウェアラブルリモコン。リンク先から製作オーダー頂けます。
Made in Matsumoto Nagano Japan.
■ Twitter | Instagram あります
Twitterではプロダクト開発から長野での暮らしぶりを、
Instagramでは写真を中心にPEBLWEARの活動や魅力を発信しています。
Youtubeでは「ポケットから手元を見ずに曲送りや音量調整、再生停止ができる」って具体的にどういうこと?など動画にまとめています。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?