6年半ぶり、再び お弁当作りを始める
以前投稿した記事『子育てを振り返り』では、幼いころの子供たちが発した [ちょっとした言葉]や[彼らの書いた文章]に加えて、[わたしの想い]などをつづった。
最後に書いた短文が「最後のお弁当」
これを書いた時、お弁当作りへのセンチメンタルな気持ちが少し入ってしまったが、本心は
【やった〜、お弁当作りから解放される!!】
だった。(もっとも、職場に持っていくテキトー弁当は去年退職するまで作り続けたが)
朝五時起きでお弁当と簡単な朝食を作り、洗濯をし、食器など片付け、終えてから自身の支度をして会社へ向かう毎日はキツかった。
長男は食堂で食べることもあったし、男子校に通う末っ子は、わたしが「今日疲れててお弁当作れない。食堂で食べて」と500円玉渡すと喜んでボリューム満点の学食ご飯を食べてくれたが、次男だけは何がなんでもお弁当だった。あれはきつかった。。
…
この春から社会人になった末っ子に昼ごはん どうしてるか聞くと食堂があるという。なんでもカレー380円と大学の学食よりも安いらしい。
次の日どうしたか聞くとカレー、その翌日もカレー。「ポークカレー、キーマカレー、チキンカレーとあってどれも美味しいよ」とのことだった。ふーん。
合同庁舎の食堂は一般の人も利用可能だと言う。本当に美味しいのだろうか。で、その建物に潜入し食べてみることにした。
食堂は11時30分からの営業であるが、オープン前からすでに一般人(オジさんやオバさん)が数人待っていた。メニューには、麺類や丼ものに定食もあり600円とか700円ほど。
それでも充分安いが外で食べたらこれではすまない。昼食代節約したいのはわかるけど、毎日カレーというのも ちょっと。で、ふと「お弁当でも作ったら」と言ってみた。
NHKの『サラメシ』を見ると、親元から離れて一人暮らし始めたばかりの子がお弁当を作っている。なんてエライのだ。。
それに引き換え、自宅からの通いで家事もご飯作りもしなくてよいお気楽な立場の末っ子。「お弁当つくりか、いいねー」とか言ってたが作るつもりなどないのは明白。
それからも、相変わらずカレーばかり食べてたようだが、突然【曲げわっぱのお弁当箱】を買ってきた。こちらを見ながらニヤニヤしてる。わっぱのお弁当箱である!高校生の時使ってた、黒の2段重ねのプラスティックとは全く違うのだ。なんだか高価そう。
「誰が作るの?」
それには答えず、末っ子のニヤニヤは続く。
「え〜」( 作ってくれるんでしょ、の顔 )
曲げわっぱのお弁当箱、気になる。気になる。
…で、つい答えてしまった。
「わかった。お母さんが作ってあげるよ」
「やった〜」 ( 満面の笑み )
末っ子というものは、どうしてこうも甘え上手なのだろうか。結局、週二回だけ作ってあげることにした、甘々な母親である。。
今は専業主婦のわたし。家事と仕事と子育てに追われてキリキリしてたあの頃とは違う。週2ならお弁当作りも楽しく出来るかも。
…
新品の わっぱ弁当箱は、新築の家のような かぐわしい木の香り。これに詰めれば、おそらく5割増しで美味しく見えるに違いない。なんだかワクワクしてきた。
わっぱ弁当箱でなければワクワクなどしないだろうし、面倒なお弁当を再び作ってあげようとは思わなかっただろう。
…完全に末っ子の作戦勝ちであった。
追記
これを下書きしてたのが 7月。暑い時期のお弁当作りは、傷まないように気をつけた。今は10月。エアコンの要らない快適な季節になったが、まだ用心の為に保冷剤を入れてる。
朝起きて「あ、今日お弁当作りだ…」と思い出すとやっぱり面倒くさい。けれど おかずを準備し、詰め始める。色合いを考え キレイに 少しでも美味しそうに…
詰め終えると「今日も、なかなかいい出来じゃない?」ものすごい自己満足感にひたれる。この自己満足感と末っ子の「ごちそうさま〜!」に助けられて続けているようなものである。
「最後のお弁当」が載ってます