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就活とまゆげ

今日は、大学でも無いのに、朝早くリビングに降りてきた息子福山。

旦那に、「シャワーを浴びてよいか?」と話しかけていた。

「大学?」と問う旦那に、「就活用の写真を撮りに行くんだ。」とのたまう息子福山。

そういえば、先日の大学に行く日に、会社説明会のオンラインの予定が入っていて、夕方、就活用の写真を撮りに行くと言っていたが、その日は、行動を起こさなかったので、そんな急いでいるわけでは無いんだと、その話をスルーしていたのだが、

スーツ姿に身を包んでいる息子福山が、脱衣場で叫ぶ。

ワックスで、うまく髪型が決まらないらしい。

なので、颯爽と、脱衣所に向かい、手にワックスをまとい、息子福山の前髪を整えてあげた。

そういえばである。

息子福山は、先日、就活用に、2000円でまゆげをカットしてもらった。

息子福山が大学の日に待ち合わせて、ランチをしたあとに、駅ビルを探索した日があった。

上から順にぐるりと駅ビルを探索した。

駅ビルは、コロナ禍に、再リニューアルをしたビルで、ハイブランドも入っているのだ。

まあ、服に関しては、サイズがあるので、食べ物屋のチェックを中心に行ったわけであるが。

その帰り道、駅ビルに繋がる隣のファッションビルで、男性用の眉毛カットのお店を見つけたのである。

息子福山の眉毛は、クレヨンしんちゃんのような、眉毛である。

息子福山が小さい頃、床屋さんで髪の毛を切っていたのであるが、床屋さんって、顔そりをしてくれるじゃないですか。

アジフライも子供の頃は、床屋さんに通っていて、顔そりをしてもらった後のさっぱり感がものすごく印象に残っているのだが、その日、仕上がった息子福山の眉毛は、くっきり、丸みを帯びていた。

そんなクレヨンしんちゃんの眉毛は、2000円をかけて生まれ変わったのだ。

「眉毛ぐらい、ママがカットしてやるよ。」と息子福山に声をかけたのだけれど、断られた。

服飾の専門学校のメークの授業でメークを習ってから、眉毛は、自分で整えており、自信を持っていたのであるが、先日、美容院に行く前に、眉毛を整えようとして、眉尻を剃り落してしまった。

ああ。よかった。

一世一代の就活で、眉毛を剃り落してしまったら、死ぬまで、息子福山に罵倒される事、間違いなしであるから、手を出さなくて良かったと。

しかし、現代の世の男子も眉毛をカットしてもらう時代なんだな。

息子福山がおしゃれ男子ではないので、その辺の事情がわからなかったが、就活の為に、2000円をかけて、眉毛をカットしてもらうなんて、面白い時代である。

#創作大賞2023

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