息子福山、我が道をゆく
現在、息子福山は、就活に忙しい。
しかし、コロナ禍は、就活を面白いほど便利にさせた。
会社説明会は、ほぼ、オンラインである。
今週も、オンラインで会社説明会を受けた息子福山は、再び、SPIを受けるらしい。
SPIの参考書を解いている様子をうかがったが、なかなかのスピードで一冊を仕上げているのを見て、「早く解けるんだね。」と声をかけると、「スピードが命なんだよ。」とのたまう。
その様子をみて、息子福山に、面接のアドバイスをしようとしたら、息子福山にさえぎられた。
「自分で考えている事があるんだ。」と。
実は、少し前に、現在、就活をしている男子のnoteを読んだ。
そしたら、公開面接をしたとの事で、YouTubeのURLが貼られていたので、その動画を観たのである。
面接の一部始終が動画に映し出されていた。
動画を観た感想と、合否の結果は同じであった。
その動画の最後に、面接側の言い分を聞いて、なるほどと思った。
だから、そのアドバイスを息子福山に伝えようと思ったのだけれど。
確かに、親と子の考え方に隔たりがある事は、身をもって実感している。
持病を発症し、実家で数か月闘病生活をおくっていた時に、何も手につかず、ぼーっと毎日を過ごす私に、父親は、自分のカメラを差し出した。
カメラをやってみないかと。
父親は好奇心が旺盛で、多趣味である。
その一つが、カメラであった。
カメラで撮ったものを印刷するために、それ専用の小型のプリンターも買ってくれた。
父親の気持ちは大変嬉しかったが、カメラに興味が無かったのである。
それは、専門学校時代の失敗が尾を引いている。
服飾の専門学校時代に、ファッションについて幅広く学んだ。
カメラの授業もあった。
授業で、自分たちで撮ってきた写真をスライドに焼いて、発表する授業があったのであるが、その発表の時に、講師から、構図が素晴らしいとお褒めの言葉を頂いた。
そのあと、学年のファッションショーをすることになり、撮影隊に参加した。
ファッションショーで自分の作品を着用したひとりひとりをカメラに収めたはずなのに、一枚も撮れていないという失敗をしでかす。
確かに、フィルムをセットしたはずなのに。
フィルムをセットした後、カメラを少し放置していた。
誰かが、フィルムをいじったのではと疑ったのであるが、失敗は失敗で、記録はおじゃんとなった。
楽しかったはずのカメラの撮影も、嫌な記憶とともに、興味の無いものに変化していったのである。
親は、良かれと言って子供に提案するが、子供の興味と一致する事はまれであるという、実体験から、息子福山へのアドバイスも封印した。
口をだすべからずと思っていても、攻略法をみつけると、ついつい口を出してしまいがちである。
「自分で考えている事があるんだ。」という言葉を信じて、見守る事にしよう。
いただいたサポートで美味しいものを食べて、次のnoteに活かします。