生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

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日本の生産性はOECD36か国中21位、G7の中では最下位だ。なぜこんなに低いのか。
これまでの日本では、質を量でカバーするということが当たり前に行われてきた。同じクオリティのものを8時間で完成させようと10時間かけて完成させようと、同じ評価をされるーいや、違う。長く働いた分だけ残業代ももらえるし(なぜか)頑張っていると見なされ、高い評価をもらえる。
しかし、仕事への考え方やグローバル化による価値観の変化にともない、こういった考え方は音を立てて崩れていている。
短い時間で成果を出すほうが良い。頑張っているかどうかではなく、どんなアウトプットをしたのかで評価されるべき。そういった考えが根付きつつある。

では、短い時間で成果を出す、すなわち生産性を上げていくにはどうすればよいのだろうか。
生産性の考え方は簡単で、インプットに対しアウトプットをどれだけ出すことができたかで測られる。生産性を高める上では、インプットをどれだけ小さくするか、もしくは同じインプットでどれだけアウトプットを大きくするか、という2点を考える必要がある。
視点としては、ImprovementとInnovationが必要だ。今のやり方をよりよくできないか?(=Improvement)という視点と、そもそもそのやり方が最適なのか?もっと飛躍させる方法はないか?(=Innovation)という視点である。

組織として生産性を向上させるためには、いかに社員のポテンシャルを引き出せるかが重要だ。ただし、ここには平等は存在しない。組織を引っ張っているのはハイパフォーマー、その中でも特にトップパフォーマーである。(このことについては、MicrosoftやGoogleも同じことを言っている。)彼らの能力を最大限に引き出すことができれば、飛躍的な向上が見込める。義務教育ではないのだから、全員横並びに育成する必要はない。横並びに育成すれば底上げにはなるかもしれないが、トップパフォーマーからしてみればできて当たり前のことをやらされているだけであり、成長にはつながらない。彼らにいかに良質な育成の機会を提供できるかが重要なポイントとなる。

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