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【平和ビジネスへの道】#27 IKEAと3Dプリンタが叶える便利 ThisAbles

こんばんは!かほりです。

9月頭からまずは1か月毎日更新を目標に始めたこのシリーズも、いよいよクライマックスに差し掛かってきました。誰に求められるわけでもなく続けていますが、インプットとアウトプットを同時に自分に課すことができる手法でとてもいいな、と思っています。


さて、今日はIKEAのThisAblesというプロジェクトをご紹介します。

■抱えている問題

身体障害者は、身体の一部もしくは大部分がうまく動かないことが原因で、日常のちょっとした動作に支障を来たしている。例えば、電気をつける、ドアをあける、立ち上がるなど…

どの部分がどれだけ動かないのか?何ができるのか、できないのか?といった障害の程度は人によってさまざま。それぞれに合った道具やグッズを販売するのはコストがかかるため、オーダーメイドになったり、高すぎる商品になってしまい、不便な生活を強いられてしまう現状がある。


■着眼点

それぞれの問題を解決でき、且つコストがかからない新しいやり方があるのでは…?


■解決策

IKEAの家具に取り付けるだけで、身体障害者が使いやすくなる補助器具の3Dプリントデータを無償で提供するThisAblesプロジェクトを立ち上げた。

例えば、下半身に力が入りにくい障害がある場合、ソファの足の延長器具をつけることで、本人が立ちやすい高さに調整することができたり、

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指先が動かない場合、戸棚に大きい取手をつけることで、肘の力で扉を開けることができるようになったりする。

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提供中の3Dプリントデータは、現在13種類。障害の箇所や、様々なニーズに合わせて作成され、だれでも無料でダウンロードが可能。3Dプリンタを使えばそれぞれが必要としているグッズを健常者とほぼ同価格で手に入れることができる。

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プロジェクト名は、Disables(障害)⇒ThisAbles(これで、できる)とかかっています。

ニーズの多様さと、少ないロット数というマイノリティが抱える問題に対して、新たな技術を活用することで鮮やかに解決を目指すプロジェクトです。私がいいなと思うのは、IKEAイスラエルと身体障害者を支援するNPOが共同で行っており、ビジネスに直結しているところです。

「家具をIKEAにしておけば、後々自分や家族に何かあっても使いやすさが保障されている」「買い替えなくてもその時の自分に合わせてアップデートできる」という認知が広まれば、差別化になります。

日本でもIKEAのレジ横に3Dプリンタを置いて、1回1000円で使えるようにするとか、ダイソーと共同でこの補助器具を売り出す等で、更なる利便性や広がりが見えてくるなあと思います。


市場としての可能性

みなさんの周囲に、佐藤、鈴木、高橋、田中、伊藤、渡辺、山本という苗字の方はいますか?これは、日本の中で人口の多い苗字ランキングトップ7で、合計約960万人存在します。

一方、日本における身体障害者の割合は7.4%で、936万人存在するといわれています。上記苗字の合計人口と同程度というのは驚きです。普段会うことが少ないかもしれないですが、たくさん存在するんです。

加齢とともに身体が思うように動かないことは増えてきますし、そのことを見越しても、この市場はどんどん拡大していくことが見込まれます。そこに向けた先行投資として、そして3Dプリンタの活用法として素晴らしいアプローチだと思います。

IKEAだけでなくいろいろな業界・業種にこの動きが広がっていって、ビジネス拡大と幸福度拡大両方目指せるといいですね。


それでは、また明日!

Peace!

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