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2000年の邦楽ベストテン

前回やった邦楽ベストテンは1970年代編。それから一気に30年飛びましたw
この時代、自分の記憶を顧みますと、ギャルゲーばっかやってて、あんまし音楽聴いてなかったような気がするのですけど、それでも何かしらチェックはしているようで、自分なりにリストを作ってみますと、幅広くは聴いていたようですね。
いつものようにノミネート作から上げていきましょう。

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EGO-WRAPPIN'『色彩のブルース』
エレファントカシマシ『good morning』
OOIOO『gold & green』★
audio active『SPACED DOLLS』
奥田民生『GOLDBLEND』◎
杏子『Under The Silk Tree』
キリンジ『3』
KEN ISHII『FLATSPIN』
くるり『図鑑』
GRAPEVINE『Here』
サザンオールスターズ『TSUNAMI』○
サニーデイ・サービス『LOVE ALBUM』
Cymbals『That's Entertainment』▲
スーパーカー『Faturama』△
スピッツ『ハヤブサ』
中村一義『ERA』▲
NUMBER GIRL『SAPPUKEI』△
BLANKEY JET CITY『Harlem Jets』☆
フリーボ『Blue Moon』
POLYSICS『NEU』
thee michelle gun elephant『カサノバ・スネイク』

素直に選出すれば、民生さん、ナンバーガールキリンジスーパーカーといった当時のロキノン系は入着余裕なはずなのですけど、なんというか、自分の主張を取った感じですねw
主張といえば、当時大変好きだったミッシェルブランキ―、あとスピッツははずせません。とはいえ、このあたりは前後数年力作を連発していて何をどうピックアップするのか難しいところです。
ブランキ―に至っては最終作で、「最高のアルバムが出来たのでおれたちは解散します」というすさまじいコピーとともに発売されたわけでして、今ならまともに評価できるかもしれませんが…何をどう書いたらいいものか…うん、ブランキ―に限ってはいつか単体で記事にするよ!

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10位:セロファン『Wandering Man』
90年代から、ビートルズを本流としたブリットポップ直系の邦楽バンドがいっぱいいましたが、その中で一番成熟かつ深化していた印象ですね。60年代の情景に忠実というか、ポップでカラフルでサイケで、コーラスを大切にしてるのがいいです。

9位:DOUBLE-DEALER『Double Dealer』
当時の邦楽メタルシーンで最高峰のG. といわれた島紀史 (Concerto Moon)と、実力派Vo. の下山武徳 (SABER TIGER)のプロジェクト作1st。この合流はB!誌の編集長が暗躍したとかしないとかw 実にパワフルで小気味よい快作に仕上がり、21世紀のジャパメタ復興への流れを牽引していたと思います。

8位:カーネーション『LOVE SCULPTURE』
80年代末期から名盤連発、今後も各年代でいろんなアルバムを取り上げていくであろうポップでロックなマエストロ直枝政広のバンドです。今作はそれまで積み上げたいろいろな側面の集大成的感があります。豊田道倫のカヴァーも○。

7位:特撮『ヌイグルマー』
筋肉少女帯のアングラな面がエディ三柴の再合流によってより強力に発展、さらにNAGASAKI氏のエクスペリメンタルな感性が加わることで凄まじい緊張感を生んでいます。のちのち、アニメ「さよなら絶望先生」の音楽も担当しますが、そちらも必聴。今回はGASTUNKの名曲カヴァーで。

6位:COIL『ORANGE & BLUE』
デビューした時からその偏屈な宅録ぶりから、一部で注目されてた彼ら。オフィスオーガスタの「福耳」プロジェクトで一気に名をあげました。上記リストの杏子さんのソロも関連作で重要です。やたら細かい作品の多い彼らですが、この2ndは、代表曲を網羅する傑作です!

5位:羅針盤『ソングライン』
ミュージックマガジンあたりなら上位であろう入賞の名作。フォーキーでオルタナティヴなのに凄く耳の感触がいい。ボアダムス想い出波止場をえて,
、やがてはこういう境地に至るのか…それがおいおいROVOにつながっていくのか…とかイロイロ思惑してしまう深さが心地よいです。

4:THEATRE BROOK『I AM THE SPACE,YOU ARE THE SUN』
この記事を書いている過程で「シアターブルックは非常に過小評価だ!」という熱いテキストを目にしました。その実力を鑑みると納得の意見です。ソウルやファンクとポップ、ロックの中庸を見事に表現してる稀有なバンド。佐藤タイジ氏のストレートに心に響てくる“声”の説得力も半端ないです。

3位:LUNA SEA『LUNACY』
期間無期限で徹底的に作りこまれたという作品だそうです。その燃えつき感から、結局終幕を迎えてしまった…というのは実に皮肉です。ヴィジュアル系は色眼鏡でみらる側面があるとは思うのですが、当時リアルタイムで耳にして今までにない完成度にたまげたものです。

2位:あぶらだこ『あぶらだこ (月盤)』
売れることを全く意識していない…そういう意味で真のジャパニーズ・オルタナティヴバンドといっていいでしょう。似たような音像のバンドが全く無いので比較のしようがないのですが、その孤高の佇まいの説得性は群を抜いています。

1位:椎名林檎 『勝訴ストリップ』
前年のデビュー作は、そのインパクトにやられましたが、それをふまえて世間がどうでるのだろうかと見守る中、涼しい顔で本作を届けるあたり並みの胆力ではございません。売れたことで自由にやれた面もあったそうでアルバム自体に“活気”があふれています。オリコン1位の硬軟清濁巻き込んだ国民作ですね。

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こんな感じになりました。
いつものように色々なジャンルを入れたいという側面は捨ててないつもりですが、1位はともかく、なんだか変なセレクトになっちゃいましたね。
上記でギャルゲ―ばっかやってたって書いてますが、それはパソコンによるネット文化の成熟という側面があり、そのため「音楽」というものに向きある姿勢も問われていた時代だったのかもしれません。
というのは、昭和からの大物や、あれだけ席巻した“渋谷系”があんまり入ってこなかったから、ある意味“過渡期”的な印象を抱いたからです。
それに、90年代前半死滅していたアイドル文化の復権もあり、ありとあらゆるものがインターネット上でフラット化していく変容期だったとも言えますね。以降、聴き手はより情報過多を強いられる傾向が増していきます。別に無理して追っかけてるわけじゃないけど…大変ですね。

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