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未来は「予想」ではなく「妄想」する - 新時代の豊かさを実現する思考法

AI時代にはどんな能力が必要なのか? オンライン化する社会で自分はどう働けばいいのか? 社会が激動している中で、今いちど、ゆっくりと考える必要があるでしょう。

新しい時代に移り変わる中で、どうすると豊かになれるのか? ポイントは未来を予測するのではなく、妄想することにあります。そのことを、3つの書籍の内容をベースにまとめていきたいと思います。

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豊かな人生を送るのはニュータイプ人材

20世紀後半〜21世紀初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的て、勤勉で、責任感の強い、いわゆる「優秀な人材」は、今後オールドタイプとして急激に価値を失っていくでしょう。

一方、このようなオールドタイプに対置される、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材=ニュータイプが、今後は大きく価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになるでしょう。

価値創出の源泉が、「問題を解決し、モノを作り出す能力」から「問題を発見し、意味を創出する能力」へとシフトしています。

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つまり、「問題が過剰で解決策が希少 」な時代から、「問題が希少で解決策が過剰」の時代に変化しています。最大のボトルネック問題発見なのです。


未来を妄想することで、問題を規定する

問題が希少化する世界では、未来を妄想する力が大きな価値を持つことになります。問題とは、あるべき姿と現状のギャップのことなので、あるべき姿をいかに妄想出来るかが、重要になります。

この妄想は、いわゆる「予測」とは違います。予測というのは、「未来はどうなるか?」を考える事で、妄想は「未来をどうしたいか?」を考える事です。

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現代は、予測が難しいVUCAと言われるような時代です。自然の猛威や、外的環境の変化によって、数年おきに予測の”前提”ががらっと変わってしまうため、あまり意味がありません

例えば、AIに奪われる仕事は何か?予測するのではなく、

- AIを使うことで、どんな可能性を開きたいのか?
- テクノロジーによって、どのように人間を進化させたいか?

などの、「未来をどうしたいか?」という問いを考えていくことで、あるべき姿を生み出し問題を規定していくプロセスが求められるのです。


「妄想し、形にする力」が富を生み出す源泉に

これまでのオールドタイプ的時代では、大きな売上着実な利益を生めば企業価値につながるのが、富を生む基本的な方程式でした

しかし、この非連続的な変化に富む局面では、そもそも「未来を変えている感」が企業価値になり、これをテコに投資し、シェア、売上、利益につながるという真逆の流れになっています。

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(出典:安宅和人『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』NewsPicksパブリッシング,2020年,図1-11)

例えば、アメリカのシリコンバレーを拠点にして電気自動車を販売しているテスラ(Tesla, Inc.)は、2019年10月にゼネラル・モーターズ(GM)を時価総額で抜き、世界の車メーカーの中でトップになりました。しかも、販売台数ベースで比較すると、130分の1以下なのにも関わらず。。。

持続可能なエネルギーの世界を創ると掲げるイーロン・マスクのように、「妄想し、カタチにする」ことが富に直結する時代に変化しています。


未来の方程式をもとに、どう妄想をするか?

未来は我々の課題意識、もしくはを何らかの技術で解き、それをデザインでパッケージングしたものと言えます。

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(出典:安宅和人『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』NewsPicksパブリッシング,2020年,図1-14)

昨今の雑誌や新聞は新しい技術の話ばかりしていますが、本当に技術だけを身につけたら未来は生み出せるのでしょうか。技術の実装だけで未来を変えることは難しいです。

大切なのは、目に見えない特別な価値を生み出せるかどうか?になります。自分がこうしたいと思う世界を妄想し、課題意識に対してどのように技術を適応するかを考え、領域を超えたものをつなぎデザインする力が、これまで以上に重要な時代を我々は生きています。


妄想力としてのビジョン思考

妄想力を高めるためには、新しい思考様式を習慣化できるようにする必要があります。そのためのフレームワークとなるのがビジョン思考です。

ビジョン思考は、下記の4つのステップを繰り返します。

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(出典:佐宗 邦威『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』ダイヤモンド社,2019年,図1-6)

STEP1は「妄想する」:常識や既存の前提がもし変化するとしたら?自分はどのように生きたいか?など、「もし〜なら?」という問いを自分自信に投げかけ、ワクワクしながら感じたことを単純に吐き出していきます。

STEP2は「知覚する」:まずは、ありのままに見て感知します。そしてインプットを絵の状態で考えてフレームにまとめ、意味づけをしていきます。妄想の解像度を上げていくことを目的に情報をまとめます。

STEP3は「組替する」:妄想と知覚を通じて形になってきたアイデアに、独自性を持たせるためのステップです。新しいアイデアというのは、既存のアイデアの新しい組み合わせのことなので、試行錯誤しながら自分なりの切り口を見つけていきます。

STEP4は「表現する」:手を動かして具体化しながら考えることがポイントです。プロトタイプを人に見せ、フィードバックをもらうというサイクルをいかに早く回せるかが重要になります。


今の日本に本当に必要なものは「妄想」

オールドタイプ的時代には、市場に多くの「不満・不便・不安」という問題を解消したいというニーズが存在していたので、こぞってモノ作りをしてきました

今では、世界の中で見れば日本は経済的にも豊かでモノがあふれているような世の中になりました。しかし、過去最大の物質的豊かさを享受している世の中のはずですが、精神的な豊かさはそうではないようです。

当時は、不足していたモノが明らかだったので、何を目指せばいいのかという指針が明確でした。しかし、物質的に豊かになった現代において、どこを目指せばいいのか分からないという状況が、この精神的豊かさの欠乏を引き起こしています。

だからこそ、今の日本に本当に必要なのは、未来をどうしたいか?という妄想なのです。自分達の未来をどうしたいのか?を考える事が、これからの世代にとっての価値創出そのものになります。



私のnoteでは、自分の「妄想」を書いていこうと思っています。興味がある方はぜひフォローしてください!



-- 参考書籍 --

妄想力や、これからの時代に必要な思考、知覚力をどう向上させるかに関して、より詳しく知りたい方は下記の3つの本を読んでみてください!6000円の投資で、人生が大きく変わります。


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