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哲学ってなんだ【書籍紹介】

この記事では、私がタイトル買いした本を紹介していきます。
今回紹介するのは・・・

書籍紹介

哲学ってなんだ
竹田青嗣(著)

タイトル買いした理由

哲学という言葉は、日常生活でもよく聞く言葉だと思います。
しかし、実際に哲学の説明を求められると答えられない人がほとんどだと思います。
そのような理由があり哲学の基本を知りたくて購入しました。

ここが読みどころ

  • 哲学は、世界の「真理」をつかむための思考法ではなく、誰もが納得できる「普遍的」な世界理解のあり方を作り出すための方法。P20

  • 哲学は世界説明の方法。P26

  • 哲学の説明方法は3つ。①非物語:物語を使わず,「概念」を理論的に使って世界を説明する。②原理思考:原理(キーワード)を提出する。③再始発:つねに一からやりはおす。P28

  • 「普遍的な」考えとは「絶対的真理」ではなく、世界について共有できる理解のありかたを取り出すということ。P39

  • 哲学の難問にぶつかったら、それが単に概念や論理の問題にすぎないのか、それを考えることが本当に重要な哲学的テーマを考えることに繋がっているのか考える必要がある。だまし絵に騙されない。P51

  • 哲学の難問を考える時に注意したいのは、人間の思考における可能な「推論の方式」を頭の中から引っ張り出してそれをならべて、どの推論方式がいちばん妥当そうに見えるかと考えること。P60-62

  • 社会的なルールをなくせば,力の強弱で全て決まってしまう。P84

  • 不特定多数の人と関われることで自由になれる。特定の人だけだとその人がいなくなったら終わり。P93

  • それぞれの人間が作り上げる世界像のうち、どんな人間の文化でも共通の認識が成立する領域がある。しかし、共通しない領域も必ず存在し、同じにならないのが自然なこと。P108

  • 恋をした時の脳内物質の動きを事実として捉えることはできるが、恋という経験が人間にとってもつ独自の意味それ自体は、決して事実では捉えきれない。P114

  • 近代以前は人間には位があるのが当然で差別ではなかった。近代になって人間は平等となり、平等なのに差があるというところから、差別が生まれた。P120

  • 人間の「自己(アイデンティティ)欲望」は他者たちとの「承認のゲーム」の中でのみ日現される。自己意識の内部でだけで自分の価値を認めようとするような試みは不毛。小児は自分の“したい”で行動するが,それが徐々に母親から愛されたいなどの関係性に変わっていく。P140

  • 人間とは、つねに自分自身を理解(了解)し続けている存在であり、そこには単に「よい自己理解」と「悪い自己理解」があるだけ。自分自身のほんとうなどはない。P171

  • 自己了解とは、ほんとうの自分についての理解ではなく、自分自身をあるより適切な仕方で理解しなおすこと。P171

  • 人間の価値観や感受性は原則的に幼児期の親子関係の中で形成されてきたルール関係の痕跡。P176

  • 近代社会の原理と近代的な「人間」の生の原理は、「自由」と「相互承認」という概念においてその本質を共有している。P194

総評

哲学の基本的な事項が分かりやすく説明されています。
やや難しい話しも出てきますが、高校生くらいであれば何とか読めると思います。
哲学を学ぶ第一歩には最適な一冊です。

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