他の種に栄養を与え、育てる喜びを感じたパセリ
今年、農業を始めた。もうすぐ1年になるけど、農業というのは毎年一年生と言われるほど、年によって畑の状態が変わる。1人前と言うには程遠い。
僕は大学を辞めたことは以前に話したとおりだけど、その後2年間ほど引きこもって、何をすればいいかわからなくなった。好きだった心理学の勉強はもうできないし、本を読んでるとはいえ研究者になるには大学に行けないようだと難しいだろう。
もう人生行き詰まったなってとこまでは悩んで悩んで、悩み抜いた。でもいくら悩んでも自殺願望しか出てこないし、ついには悩むことも諦めてぼーっとした。
かなりしんどかったけど、それを超えた頃からやっと落ち着いて、物事を先に進める気力が湧いた。僕はハローワークに通いだした。
それからいくつもの会社の求人を見ては応募してを繰り返した。100社行って駄目なら諦めてニートか生活保護だと思って応募し続けた。
バイトでいいからとにかく働こうと思ってひたすら応募したら、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるもんだ。1つの会社に当たった。農作業のバイトだ。
僕はそれまで事務の仕事がしたくてそればかり受けていたのだけど、農業も少しは興味を持っていた。その興味の元になったのは、ニート生活中に母から出されていた”毎日家事だけはする”ことと、坂口恭平さんのnote(リンクは初めて僕が読んだ坂口さんのnote)だった。
家事全般と、毎日の晩ご飯に何か1品を作ることを課せられていた。食材が足りなければ(外、厳密には人がいるところでトイレまでが遠いところに行けないので)母が買いに行ってくれたけど、野菜は近所にある畑に自分で取りに行くことになっていた。
冬の寒い時期がトイレの近い人には一番辛い。そんな中憂鬱な気分の僕にとって鍋料理は唯一の癒やしだった。その下準備は僕の仕事だったわけで、自然と畑に行くことに喜びを感じるようになっていった。バヴロフの犬ならぬパヴロフのパセリである。皆さん知らないと思いますけど、パセリにも条件付けが通用するんですよね。
坂口さんのnoteに関しては、彼がゼロ円から生活を整えるなら、耕作放棄地を買って農業をすればいいと言っていたことが僕の背中を押した。農業は彼のような活動的で何でもまずやってみよう!と思える人にとっては(知らんけど)、始めるハードルはあまり高くないのかもしれないけど、僕は何についてもまずは自分の中で確実に出来る自信や知識が無いと行動に出られないタイプの面倒くさい人間なので、”まずはバイトから”と思って始めてみた。それだけでも僕にとってはバクチと同じぐらい緊張するし、身構える。
ニートにとって時間はたっぷりあるから、バイトだと採用してもらえる確率は上がる。ただ、2年間のニート生活をしていた僕だ。久しぶりの社交の場だったから、面接ではそういった点を理解してもらえる会社であることを慎重に確認した。
ありがたいことに採用してもらって、今はガッツリ農作業に勤しんでいる。最初はただのバイトと言う認識で入ったものの、続けるうちに収穫の喜びや作業を極めることの面白みを味わって、徐々に農作業に熱中していった。幸い、僕の家は代々米や野菜作りをしていて、畑も必要になれば僕一人がやるぐらいならいくらでも準備できるだけの土地があった。
そこで僕は思い切って畑を使わせてもらうことにした。会社の畑と自分の畑の2つである。これで晴れて農家デビューだ。しかも農と農の"純粋な"農家としてのスタートを切った。
野菜は幸い、順調に育ってきている。まだ売れるほどの量は作っていないものの、身内で食べる分をうまく作れるようになるための勉強中だ。既に1回収穫をして、片付けて今は2作目の途中だ。
今のところ全体的に順調で、病気も出ていない。自分の畑では会社の仕事と並行して進めているので、比較的手を加える必要の無い野菜から挑戦している。もうちょっと段取りがわかってきたら他の種類にも挑戦してゆくゆくは畑を広げてみたい。
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さてさて、現状報告の意味を込めてnoteを書いてみたけど、こうやって自分の考えを文字に起こして見るとすっきりするし、やっぱいいや。こういう文字を扱う仕事も将来やってみたい。
本当に、Twitterでは言ってたりするかもしれないけれど、こんなに前向きに将来のことを考えられるレベルまで回復するなんて思ってもいなかったし、したとしてももうちょっと先になると思ってた。採用して貰った会社には感謝しかないし、僕はついてた。
やっと動き出した僕の人生。これからも挫折を繰りかえしていくんだろうけど、今のところはそんな感じで楽しくやってます。
最後まで読んで頂いてありがとうございます
また気が向いたら次書こうと思います
他にも書いた記事があるのでよければそちらも
パセリ
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