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社会復帰率9割の支援者が書く、本気で鬱を治したいあなたへ向けたnote

初めまして、一般社団法人Gifted Creative、代表理事の峯上良平(ミネウエ リョウヘイ)と申します。
すみません、格好を付けました、元鬱、ひきこもり、精神病院入院歴ありのものです。

これを読まれている方は、自分は鬱なんてならない、大丈夫だ、まさか自分がなんて思ってもいなかったのではないでしょう?

かく言う私もそうでした。
親や周りの大人、友人達から良い子、良い友人のイメージを察し、それに合わせて生きてきたのではないでしょうか?
周りに合わせるということはストレスという水を自分の器、つまりコップにどんどん注ぎ続けるということになります。
それが今、あふれてしまい、鬱となって自分に教えてくれているサインだと捉えてください。

鬱になって良かったことをまずはお伝えしようと思います。
私にとって鬱になり、自分自身と向き合う時間が出来たこと、自己理解を深め、自分自身の取扱説明書が出来たこと、自分の得意、不得意を見極め、得意で貢献する働き方、苦手は人に頼るスキルを身につけられたこと、真に何がしたいのかを模索する時間、経験を得られたことが本当に良かったと思います。

もし、ここまで読んですでにしんどいのなら、一旦スマホは閉じて、ゆっくり寝ましょう。
大丈夫、自分に合った正しいやり方をすれば鬱は治ります。

次によく鬱になってしまった方がやりがちな失敗をお伝えします。
伝えたとしてもやってしまうのですが、そこは追々対策しましょう。
そもそも鬱は心の骨折だと思って下さい。
皆さんの鬱がなかなか治らないのは、まだ骨がくっついていない状態で、動いて、また悪化させるという負のループを繰り返すからです。
心とは見えないものなので、自分一人で判断し、実行することは、複雑骨折を一人で治そうとしているようなもの、無謀なので辞めましょう。

ではどうするのか。
回復するためには同じ境遇の仲間や、支援者、心理カウンセラー、医療者の力を借りましょう。
余り前のことですが、基本でとても大事です。

そしてすぐ良くなろうとすることも辞めて下さい。
時間をかけて、じっくり、階段を一歩ずつ上る感覚で取り組むのが一番の近道です。
二段飛ばしを皆さんしたがりますが、そんな方はまず悪化や失敗をして、自分はなんてダメなんだと自責して落ち込むのですが、これ、【本当に本当によくする】ので辞めましょう笑

次によくしやすい失敗は目標のハードルが高すぎるということです。
腹筋100回を毎日とか、散歩1時間とか、ジムに毎日通うとか、鬱を治す本を読むとか。
もう馬鹿なのかなと思います。
はい、これ昔の私ですね。
100%続きません。

習慣化できるかどうかが、鬱の改善には大きく関係してきます。
例えば週4回を8週間キープできれば習慣化されやすいというデータがあります。
つまり、散歩を一日5分、週4回、8週間からやるというのが正解です。
しかし、皆さんはなぜかそれよりも多くのことをやろうとして、習慣化に失敗します。
あれもこれもしないとと無理をして、夜中にはぐったり、体調が悪いと明日もこれをするのかと、気分が落ち込み、朝起きれず、寝坊したことを後悔しながら、もう全部できない、なんて自分は意志が弱いんだと結局何もせずに寝て過ごす。
はい、これ私ですね。

これ骨折している人なら悪化すると誰でもわかるのですが、鬱だと皆こうします。
①うつになったら、自室できちんと休む→骨がくっつくまで
というのが正解です。
ここでは散歩すら不要です。なるべく栄養のあるものを食べて、寝る。
これだけでも十分です。
入院しているような過ごし方をしましょう。
家族も過度に心配したり、折れた骨に触らないでください。
治るので。
ご飯、お風呂、着替えの用意くらいで、無理に毎日風呂に入らせたり、無理やり食べさそうとしないでください。できる時にできる環境作りをお手伝い下さい。
②ある程度ご飯を食べたり、お風呂に入れるようになった時、少しずつ日常会話をする
この段階ではまだ骨がくっつき始めた段階です。将来のことや自分がしんどい話はしなくてよいです。ゆっくりリラックスして過ごせるようにしてください。余裕があれば映画やアニメを見てもOKです。
ここで大変なのは家族が不必要な一言を言わないことです。
【部屋にひきこもってばかりであんた、家の仕事でも手伝ったらどう?】
これ、私が母に言われた一言です、はい、ご飯食べなくなりますね。
①に戻ります。

これが全国のお家で起こっているんだろうと思うと、悲しくなります。
大体親に出来ることは信じて見守ること、環境を整えること、本人に求められたら上記の機関と繋げることです。意見は大抵、目標設定のハードルを上げるので要りません。

あとは自分のペースで散歩を少しずつ始めてみたり、日中、行きたい所にでかけたり、本当にゆっくり、余裕過ぎるくらいで活動を習慣化するのがコツです。
楽しいと遊びすぎ、翌日寝込むとせっかくの習慣が途切れるので、コツコツと自分自身の体調を見て、コントロールするように試行錯誤してみてください。
③外で一人の時間を長くする
図書館やカフェで本を読んだり、人が少しでよいのでいる環境に出かけてみて下さい。他にも認知行動療法をご自身で学ぶか、それを専門とした心理カウンセラーと繋がりましょう。これは骨折して固まった筋肉をほぐすリハビリや、骨折しないように気を付けるための知識を得ることが目的です。
鬱とはいきなり骨が折れたようなものなので、何が原因だったのかは分析をしないと分かりません。
しかし、一人ではなかなか勉強も続かないので、お勧めは仲間を作り、学び合うこと、客観的に自分の思考の悪癖を教えてもらうことです。
よくある認知の歪みは

1. マインドリーディング
・他人が自分のことを否定的に考えていると【思い込む】こと→他人は自分が思っているほど興味も関心もない

2. カタストロフィー化
・証拠もなしに、自分の失敗や悪いところを必要以上に【大きく考える】
・ 自分の成功や良いところを【極端に小さく考えたり】する
・失敗したら【自分は無能だ】と考える
→他人が失敗をして落ち込んでいたら「大したことじゃないよ」と寛容になれるように、自分にも優しく

3. オール・オア・ナッシング思考
・物事を0か100かで【判断する】こと
→自分にちょうど良い点は間にある。朝起きて体調を点数で表現し、60点ならそれでできる行動、20点なら回復できる行動を決めるなど、【少しでも体調が悪いと寝る】みたいな極端な行動選択をしないように

4. 感情的思い込み
・客観的証拠ではなく、感情的な反応で正しいと【決めつける】こと
→HSPの人だとちょっとした相手の表情の変化で、この人は私を嫌ってるんだなど判断し、支援者など、本来力を借りたい人を遠ざけるので、辞めましょう

5. ラベリング
・「自分はダメなやつだ」など、うまくいかなかった出来事の後に【自分を否定的に分類】すること
→上手くいかなかった出来事=やり方を工夫するために頭を使うこと
自己否定=思考停止と判断し、無駄なので辞めましょう。
同じく自責もストレスとなり、コップの水を増やす行為なので減らすように時間の使い方を工夫しよう。
例、嫌なことが起きたら自分にとってプラスとなる行動をする。
掃除、読書、アニメ、映画、おいしいものを食べるなど

6. メンタルフィルタリング
・否定的な情報に焦点を当て、【肯定的な情報を無視】すること
・ほとんどの人が人間関係においてネガティブなメンタルフィルタリングがかかっている
→ネットで実績もエビデンスも何もない現当事者の情報は当てにならない。
これにハマってしまい、本来であればその人に合う可能性のある支援団体や医療機関、テレワーク就労できる企業など、ネット情報によって、自ら選択肢を狭めてしまっている人が多いので、試してダメだったら辞めるという方向にした方が賢い

7. 過度な一般化
・一度や二度起こっただけの悪い出来事を、 常に起きることだと【思いこむ思考】パターン
・【いつも、全て、絶対、確実に、必ず】などの言葉(強調ワード)をよく使用する
→大抵は準備不足、自分だけではなく、相手の問題もあればタイミングや外部要因など複数の要因が重なっている。
自分のできる範囲で改善すれば、成功する確率は増えると知ること

8. パーソナライゼーション(個人化)
・物事の責任や原因を、必要以上に【自分にあると考える思考】パターン
・それが逆になると責任転嫁になる
→自責思考、他責思考の極端なパターン。他人は変えられないので、自分自身を変えることが一番の近道。自分を変えるには行動を変え、継続すること。

9. べき思考
・物事は必ずこうでなければならない、【こうあるべきだと考える】こと
→これは過去の成育歴が関わっていることが多い。良い子を演じたり、理不尽な経験、いじめやトラウマなど、何かしらの原因がある。カウンセリングを受け、なぜその思考が生まれたのか、当時は有効だったそのスキーマが、今邪魔をしているということに気づき、対策することが大切。

10. ポジティブのマイナス化
・良いことを良いと考えられず、良いことを無意識的に【悪いことに置き換える】
→出来なかったことに注目し、出来たことを過度に評価しない癖。
ネガティブ思考が始まった時、その時にポジティブだった出来事は?と自分に問いかけ、紙に書き出すことが思考の整理には有効

これがすべてではありませんが、よくあるものをまとめました。
ここで気付く方もおられるかも知れません。
そう、回復するためには【行動】が間違いなく必要ですが、それを止めようとするものが認知の歪みです。
これの対応をしていかないと、せっかくの良い行動を辞めてしまい、また階段から落ちてしまうのです。

認知の歪みは思考の悪癖なので、改善するには一人では本当に難しいのです。
しかも日本においてはなかなか専門家がいません。
でも、大丈夫。
認知行動療法はある程度確立されたものなので、自身で学んで、その行動をすれば効果があるものが必ずあります。
大切なのは【試す数】です。
数個やっただけでは改善しません。
一個できるまでが本当に大変で、だからこそ仲間を作ったり、自分自身を大切にするセルフコンパッションの知識を先に入れたりと、人によって上手くいくルートを模索する必要があります。

そうやって自分を深く知ること、自分に合った方法で、一歩一歩確実に回復への階段を上ること。
それが出来た人は間違いなく、回復します。

ここまで読んで大変だなと思うかもですが、私は11年かけて、この理論にたどり着きました。
そして自分だけではなく、70名を超える多くの当事者の方に伴走させて頂き、実績も増えてきました。
もちろん100%ではありません。
ですが、新しく知識を学び、試し続ければ100%に近づくことは出来ます。

この理論をベースに一つずつ試しながら、少しでも生きやすくなってくれればうれしいです。

④就労準備段階
はい、まだ続きます。私も終わろうと思いました。
認知の歪みが完全に取れていなくとも、癖が分かっていれば、次に仕事で問題がなくなる程度まで改善すれば大丈夫なので、徐々に働く準備をします。
ここでは毎日決まった時間に起きれたり、三食ご飯が食べられる(人によっては二食)、身の回りのことが自分できる必要があります。
図書館で1時間本をまとめたり、福祉のサービスを活用し、一時間、二時間と余裕を持って続けられることを確認しながら試す段階です。
我々は電池が弱ったスマートフォンだと理解し、小まめに充電したり、電池残量を把握する必要があります。
復職や就労に失敗する人はこれが分かっていないので、ちょっと日常生活が送れるようになった=治ったと判断し、復職→8割の人が失敗しています。
③、④は自分のアプリの最適化や充電方法の確立を学ぶところです。
峯上はやる気が下がってきたときには必ず温泉、サウナ、好きなものを食べるなど回復手段をたくさん持っています。
実は妻とデートに行く時もイオンなどは疲れやすいので、昼寝の時間をもらっていたりします。
パートナーや職場の人に理解してもらうか、自身で充電管理できることが大切です
⑤週3回半日から(働いた翌日は必ず休みを入れる)はじめ、二週間、一か月と様子を見ながら、少しずつ時間を増やす。
発達がある方は一か所でフルタイム勤務は難しい場合も多いので、掛け持ちを検討するなど、慎重に行った方が安定しやすい。
ここは本当に人それぞれパターンが違うので、支援者と協力しながら、まずはライスワーク(最低限嫌でなく、出来る仕事、生活できる最小限の労働)を目指し、次にライフワーク(自分が本当にやりたい仕事または趣味など)を模索する方法が上手くいきやすいと思います。
ライスワークはストレスが多く、鬱の再発リスクが高いため、継続させるためにもライフワークの模索は必須です。ライスワークと割り切り趣味を充実させるも良し、プチ起業や副業をしたり。
楽しいと思える時間を増やすこと、前に進んでいるという感覚が持てることが大事です。

ここまで読んだ方はかなり回復しているか、無理をしているかどっちかだと思います。
読んで下さり、ありがとうございます。

死ぬことはいつでもできます。
これを読んで試すことも今からできます。
その選択をすることはあなた次第です。
私は鬱から立ち直った経験がありながら、恩のある友人を自殺によって亡くしています。
彼のおじいさんが墓を掃除する姿の本当に悲しそうな背中。
泣き崩れているお姉さんやお父さん。
お姉さんがボソッといった一言
【もし和歌山に帰ってきても何とかなると思える居場所があったら将人は死ななかったかもしれない】
それを作ろうと思って4年が経ちました。
シェアハウスは和歌山に4軒になり、茨城にも1軒出来ました。
身銭を切って始めた活動も今や和歌山県が新規事業としてモデルケースにして下さり、助成金を出してくれています。
私自身、鬱だった当事者です。
ですが、沢山の方々に助けられて今、この知識を皆さんをお伝えしています。
まだ見ぬあなたが、少しでも生きやすくなって、今この瞬間の辛さがあって、未来で良かったと思えてもらえたら。
そう願います。
少なくとも私は鬱になったからこそ、今の自分があり、成長できたと思っています。
しんどいのはあなただけではなく、全国に沢山の仲間がいます。
一人で悩み、何とかするのは辞めましょう。
誰かに頼っていいのが鬱です。
助けてもらいましょう。
あなたにはその権利があります。
元気になったら、また困っている人を助けてあげてください。
そうすれば社会は少し優しくなって、死にたいと思う人が減ると思うんです。
あなたがこれから生きやすくなった姿はあなただけではなく、同じようにしんどい人のロールモデル(見本)になります。
回復するだけでも希望になれ、そのストーリーは勇気を与えます。
これを読んで下さった皆さんと生きやすい社会を、居場所を、仕事を、仲間を増やしたいと思っています。

これを読んで試して頂いて、上手くいかなかった、上手くいったなど感想をお待ちしております。
私もまだまだ支援者としては未熟です。
皆さんと一緒により良い方法を学んでいきたいです。

なんとかなる方法が必ずあります。
大丈夫です。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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