<はじめに>唸れクルージーン!アルスター伝説「ロスナリーの戦い」
今回は、12世紀の写本「レンスターの書」に収録されているケルトの伝説「ロスナリーの戦い」を紹介。
クー・フリンがフェルディアを殺すエピソードで有名な、「クアルンゲの戦い(トーイン)」直後の物語。クアルンゲの戦いから7年間は平和だったんじゃないのか? と言いたくなるが細かいことを気にしてはいけない。
ストーリーは端的に言えば、クアルンゲの戦いの仕返しをするべく、コンホヴァルが4大国(タラ、コナハト、マンスター、レンスター)に喧嘩を売るお話。これだけ覚えとけば大丈夫です。
主な登場人物
コンホヴァル・マク・ネサ
ウラド(アルスター)の王様。この物語の主人公といえる存在で、ロスナリーの戦いを引き起こした張本人。さまざまな災いの種となる男だが、一般民衆からは好かれているらしい。
コナル・ケルナッハ・マク・アウァルギャン
ウラドの戦士。クー・フリンの乳兄弟。彼はレンスターの書収録の「クアルンゲの戦い」でメイヴ側に寝返っていたはずだが、いつの間にかウラドに戻ってきてたらしい。戦闘伝達取り立てなんでもござれな、コンホヴァルの信頼厚いかっこいいあんちゃん。
クー・フリン・マク・スアルダウ
説明不要の超大型ヒーロー。この物語ではあくまで脇役だが、美味しいところはキッチリ掻っさらう模様。
カスバズ
予言とかできるすっごいドルイドのおじいちゃん。物語によってはコンホヴァルの父親だが、ロスナリーの戦いではコンホヴァルの師匠という位置付け。コンホヴァルの悩みを聞いたり煽ったりしてくれる。好々爺のイメージが強いが意外と過激派。
コルブレ・ニア・フェル
タラの王様。ロスナリーの戦いでは一応ラスボスのような位置付けだが、特に悪いことはしてない気がする。コンホヴァルの癇癪の犠牲になる可哀想な人。
エルク・ニア・フェル
コルブレの息子。コンホヴァルの娘と結婚しているので、コンホヴァルの義理の息子でもある。この話には少ししか出てこないが、父親を殺された復讐として、のちにクー・フリンをぶち殺す人なので覚えておこう。でも、君が復讐すべきはコンホヴァルのほうではなかろうか。
メイヴ
コナハトの女王。コンホヴァルの元妻。
アリル
メイヴの夫。メイヴの尻に敷かれてると思われがちだが、メイヴを悪女と言い放つロックな一面も。
フィンスコー
あまりにも空気すぎるクー・フリンの実の娘。空気すぎて可哀想なのでここで紹介する程度に空気。
これだけ覚えとけばOK用語
エーリゥ…アイルランドのこと。
ウラド…アルスターのこと。コンホヴァルが治める国で、クー・フリンやコナルもこの国に属する戦士。
エウァン・ワハ…ウラドの首都。