【大学教授と新聞記者とパパが、真面目に考える】地球温暖化と子供の未来
「地球温暖化と子供の未来」のイベント概要
「子供たちにどんな地球を残したいですか?」
そんな素朴な疑問から今回のイベントの企画がスタートしました。
地球が温暖化する中、20年、30年後に子供達はどんな地球に住んでいるのでしょうか。
「灼熱の太陽で日中は外では遊べなくなる子供達」
「頻発する大規模自然災害」
「ガソリンやエネルギーの使用制限で利便性に制約のある社会」
もしかしたら、パパの育児が、地球温暖化解決に向けた糸口になるかも!?
※本記事は、パパ育コミュが8月20日に開催したイベントの内容に基づいたレポートです。
登壇者(全員育休経験者)
地球温暖化で子供の未来はどうなるの?
気候変動に関する政府間パネルは、国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構です。IPCCが2021年に発表した最新のデータに基づいて現在の気候変動に関するデータを紹介します。
二酸化炭素濃度の急激な上昇
南極の氷を調査すると大気中の二酸化炭素濃度が分かります。
その結果として、最新の大気中の二酸化炭素濃度は、少なくとも過去200万年間のどの時点よりも高いことがわかりました。
世界平均気温の上昇
二酸化炭素濃度と整合するように世界の平均気温は上昇しています。
世界平均気温は、1970年以降、少なくとも過去2000年間にわたり、他のどの50年間にも経験したことのない速度で上昇しています。
こうした変動は、太陽活動(黒点周期など)や火山活動に伴う影響では説明できず、人為的な影響が主因だと考えられています。
我々の生活への影響(熱中症、自然災害)
地球温暖化の影響を受けて、我々の生活も変化してきています。
例えば、夏の暑さが増す中で、子どもが熱中症にならないよう外遊びやプール遊びを控える保育園が増えています。実際、政令指定都市と東京23区のうち、約3割が独自基準を設け、一定以上の暑さで、公立保育園などの屋外活動を中止しています。
また、気温上昇に伴い台風をはじめとする自然災害も増加、またその被害も激甚化する傾向にあります。こうした影響は2022年10月に予定されている家庭向けの火災保険料の引き上げにもつながっています。
このように、地球温暖化は私たちの生活に影響を与えています。
子どもたちにより良い未来を残すためには?〜カーボンフットプリントで見える化〜
地球温暖化は我々の生活に既に影響を与えています。
そして、子どもたちが大人になる20年、30年先にはより深刻な影響を及ぼす可能性があります。
祖父母が1度も経験しないほどの暑い日を…
2020年に生まれた人は、祖父母世代が生涯経験しない暑い日を日本で何度経験するでしょうか。
実は、2100年において気温は4.4度上昇するとシミュレーション(最頻値)されており、その場合に祖父母世代が経験したことない暑い日を400回経験すると言われています。
その結果、熱中症の発症リスクも大きく上がるとことになります。
私たちは、子どもたちにより良い未来を残すことができるのでしょうか。以下では、そのためのヒントとなる「温室効果ガスの見える化」をご紹介します。
温室効果ガスとコーヒーの飲み方
コーヒーの飲み方でも温室効果ガス(二酸化炭素だけでなくメタンガスや窒素ガス、フロンガス等を含む)の排出量は変わってきます。
「ドリップフィルター」、「フレンチプレス」、「ポッドスタイル」のうち最も温室効果ガスの排出量が少ない、地球にやさしいコーヒーの飲み方はどれでしょうか。
正解は「フレンチプレス」でした。
コーヒー豆や容器の原料から廃棄までの過程で生じる温室効果ガスを測定する方法を使うと、環境にやさしいコーヒーの飲み方が分かります。
「カーボンフットプリント」で温室効果ガスを見える化
「カーボンフットプリント」という手法を用いると温室効果ガスを見える化できます。
カーボンフットプリントを使えば、私たちのあらゆる消費に関連する経済活動によって発生する温室効果ガスが見える化されます。なんと、日本全体の経済活動で排出された14億トンの温室効果ガス(2015年)のうち、約6割が私たちの生活によって生じていることがわかります。
どの世代が温室効果ガスを排出している!?
カーボンフットプリントを使えば、温室効果ガスの排出量を世代間で比較することもできます。年代別では、50−54歳の世帯主が最も多くの温室効果ガスを日常生活から排出していることが分かります。
子どもたちにより良い未来を残すためには?〜市民活動〜
我々は子どもたちにより良い未来を残すために何ができるのでしょうか。
日本の取り組み〜気候市民会議〜
気候市民会議という取り組みがあります。
無作為抽出で選ばれた市民が実際の地域の縮図として、「社会をどうかえたい?未来図をどうしたいか?」と言ったことを話し合う取り組みです。
実際に、東京都武蔵野市では、2050年の市の将来像を語り合う取り組みが行われています。また、様々な自治体で自分達の地域の未来を自分達のこととして考える取り組みが少しづつ進んでいます。
欧州の取り組み〜一人一人の想いを社会へ〜
日本では少しずつ取り組みが進んでいますが、気候変動に関心が高い欧州ではどのような取り組みを行なっているのでしょうか(フランス在住のシークレットゲストのTさんに現地の様子をレポートして頂きました)。
フランスでは不動産会社の賃貸広告に、住宅の温室効果ガスの排出度合いが表示されています(驚き①)。そのため、熱効率の高い家屋の製造が促され、二重窓で断熱効果が高い住宅が普及しています(驚き②)。
オランダで購入したペットボトルの裏には「離乳食の準備に適しています」というマークがあり、子育て世代への配慮が見受けられます。
子どもによりよい未来を残すための欧州の取り組み
気候市民会議を初めて開催したのはフランスでした(前述の武蔵野市の取り組みは、フランスの気候市民会議を倣ったもの)。
フランスのマクロン大統領の肝入りで開催され、男女比、学歴、職業、地域などを考慮して選考した市民からなるグループが真剣に将来の未来図を検討しました。こうした活動は実際に社会を動かした。
みんなでディスカッション
当日参加されたパパさんで実際に「気候市民会議」ならぬ、「パパの市民会議」を開催しました。
さまざまな気候変動に配慮した取り組みやアイデアが出ましたので、その一部をご紹介します。
最後に
子どもたちにより良い未来を残すために何ができるだろうか。
そんな想いから企画したイベントだった。初めは、パパコミュニティのみんなで話すことが「子どもたちにより良い未来を残す」という目的にどのように寄与するか分からなかった。
けど、イベントを通して、「一人一人が当事者意識を持って考え、そして、行動に移すこと」が社会を変える上ではとても大切なことだと分かった。
まずは、地球温暖化に対して関心を持ち、そして、そのためにできることを些細なことでもいいから行動に移して行くことが大切なのだろう。そんな気持ちになったイベントでした。
最後に、イベントの企画に携わってくださったシゲさん(重富准教授)、福パパ(福岡記者)、パリから現地リポートをしてくださったシークレットゲストのTさん、当日参加くださった皆さん、どうもありがとうございました!
※当日の動画はパパ育コミュのアーカイブボックスに動画として格納しています。ご視聴になりたい方はコミュニティにご参加してみてください。
※シゲさんと次回は「SDGsとパパの育児」をテーマに企画を検討しています。もしご参加を希望される方は、パパ育コミュのLine公式にご登録いただけると告知が届きます。
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