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コンサル弁理士による知財コンサルへの誘い9(稼げる弁理士・知財専門家になろう)

 知財コンサルと言うと、様々なツールやフレームワークを駆使して解析してプレゼンするイメージがある。
 しかし、重要な本質は、「企業を振り向かせる力(できれば1回目で)」を持っていて出せることである(見せることである)。

 弁理士や知財専門家であれば、知財(特許なのか商標なのか外国なのかの違いはあるが)の知識、スキルが高いのは当たり前。しかも、往々にして企業はその良しあしを図る力を持ってない。また、企業の課題を抽出して解決しようとするのがコンサルであるのに、知財しか対応能力がなくては不足である。また、企業から見ても「それなら別の弁理士でもいいし、そもそもコンサルも不要」という反応になってしまう。
 筆者は「プロに頼まなければならない3つ以上の強み」を持つことが、知財コンサルで食える弁理士の必須要素だと、いつも説明する(コンサルのみならず、稼げる弁理士になるために)。

図1:3つ以上の強みを持て

 図1は、講演で用いた3つ以上の強みを持つことの必要性を示した図である。
 筆者は、(1)知財における強い代理手続、(2)技術者による技術開発に十分に寄り添える技術支援、(3)営業マンと技術者を繋ぐロジック構築、(4)知財法務、(5)どこからでも発明を創造、といったハードスキルについて自信を持っている。
 3つ以上のハードスキルがあると、クライアントとのプロジェクトの中でどんな話題が出ても、どこかで課題を見いだせて提案に繋げる作業ができる。毎回のプロジェクトで手を変え品を変え、顧客にお土産を渡すことができる。
 こうなれば、クライアントは「こいつは便利だ。他の専門家に金を払うのも減らせるし、他の弁理士に鞍替えするメリットが無い」と思ってくれる。結果として、関係を長続きさせることができるし、いかなる場面からも対価を得るマネタイズにもつながる。

 3つ以上の強みは「ハードスキル=専門知識や専門能力」であるが、「ソフトスキル=ビジネス素養」の力も重要である(往々にして、専門家と言われる人間は、これがとても低い。。)

 喋りが上手とか愛想がよいといったことも大事だけど、クライアントとのコミュニケーションで幅広い情報や話題提供のやり取りができることが大事である。例えば、クライアントが食品業界であれば、原油動向や米価の決まる仕組みなどを知っておくのは大事だろうし、それをさっと話題に混ぜ込めることは、クライアントから見れば頼りがいのある仲間と見てもらえる。

 また、知財コンサルとして包括的に仕事を行う(=包括的に対価を得る)には、クライアント企業の様々な階層や役職の人間と対峙する必要がある。社長のご機嫌だけ取ればいいわけではないし、知財責任者のみとやり取りすればよいわけではない。
 それぞれの立場や役割を理解して対応する力は絶対条件である。
 課長と部長との権限の違いを分かった上で、対応していくことが何より大事である。

 こういう点にも配慮して活動すれば、知財コンサルを含めた包括的な業務提供で、稼げる弁理士・知財専門家になっていけるであろう。
                              了

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