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歩行瞑想をして運動能力を向上させる

▼ 文献情報 と 抄録和訳

ウォーキングとマインドフルネスは、慢性閉塞性肺疾患患者の運動能力を向上させる-無作為化比較試験

Lin FL, Yeh ML. Walking and mindfulness improve the exercise capacity of patients with chronic obstructive pulmonary disease: A randomised controlled trial. Clin Rehabil. 2021 Aug;35(8):1117-1125.  

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

✅ 結論
8週間のマインドフル・ウォーキングの実践は、COPD患者の運動能力を向上させ、その効果は実践終了後少なくとも4週間は持続した。

[目的]
マインドフル・ウォーキングの実践が慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の運動能力に及ぼす影響を評価すること。

[方法]
対象者:軽度から重度のCOPD患者 
介入方法: 対照群は通常のケアを受け、マインドフル・ウォーキング群は通常のケアに加えてマインドフル・ウォーキングの練習を行った。
アウトカム: 主要評価項目は、6分間の歩行距離であった。また、Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Diseaseの分類、呼吸困難、心拍変動、Interoceptive awarenessをコントロール因子とした。

[結果]
✓対照群(n = 40)と比較して、マインドフル・ウォーキング群(n = 38)は、6分間の歩行距離が有意に長くなった(45.57 m長くなった;P = 0.04)
✓6分間の歩行距離の相互作用効果は、4週目(P = 0.01)、8週目(P = 0.002)、12週目(P = 0.02)で有意に増加した。
✓Global Initiative for Chronic Obstructive Lung DiseaseのクラスAの参加者は、クラスDの参加者に比べて6分間の歩行距離が有意に改善した(P = 0.001)。
✓Interoceptive awarenessの感情認識スケールのスコアは、6分間の歩行距離と有意に関連していた(P = 0.02)。

[結論]
8週間のマインドフル・ウォーキングの実践は、COPD患者の運動能力を向上させ、その効果は実践終了後少なくとも4週間は持続した。本研究は、この練習がCOPDの症状を改善し、COPDのリスクを減らし、この集団の相互受容的な意識を高めることを示唆している。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅マインドフル・ウォーキングとは、いわゆる”歩行瞑想”のことである。言わずもがな、歩行は理学療法の中で切っても切れない関係であろう。従って、歩行瞑想は、リハビリテーションスタッフと瞑想を繋ぐ架け橋となりかもしれない。

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歩行瞑想の詳細は以下の記事が分かりやすい。

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