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脳卒中発症時のCT画像➡歩行自立度や退院時の装具の必要性を予測

▼ 文献情報 と 抄録和訳

被殻出血の片麻痺患者における歩行能力の予測:リハビリテーション病院における観察的研究

Maeshima S, Okamoto S, Mizuno S, Okazaki H, Sonoda S. Predicting walking ability in hemiplegic patients with putaminal hemorrhage: an observational study in a rehabilitation hospital. Eur J Phys Rehabil Med. 2021 Jun;57(3):321-326.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ 結論
脳卒中発症時のCT画像は、歩行自立度を検討する際に有用な情報を提供し、リハビリ病棟退院時の装具の必要性を示すことができる。

[背景]
脳卒中のリハビリテーションにおいて、患者やその家族の最も大きな関心事は、患者が自立して歩けるかどうか、退院後に装具が必要かどうかである。

[目的]
本研究は、片麻痺患者における数種類の被殻出欠と歩行自立度および装具療法との関係を調べることを目的とする。

[方法]
設定:藤田保健衛生大学七栗記念病院 入院患者リハビリテーション科
対象者:当院に入院した脊柱管出血患者264名。
方法:米国国立衛生研究所のstroke scaleおよびMini-mental state examinationに基づいて神経機能と認知機能を調べた。血腫は5つのタイプに分類し、CTを用いて体積を測定した。歩行能力はFunctional Ambulation Category(FAC)で評価し、FAC≧4を歩行自立とした。また、血腫の種類と歩行自立度、装具療法との関係を分析した。

[結果]
血腫の種類によって、体積、神経症状、認知機能に違いが見られたが、年齢、性別、病巣側の側面には違いが見られなかった。これらの患者のうち143名は自立歩行(FAC≧4)、121名は非自立歩行であった。自立歩行と装具の必要性は、血腫の種類と密接に関連していた。

[結論]
脳卒中発症時のCT画像は、歩行自立度を検討する際に有用な情報を提供し、リハビリ病棟退院時の装具の必要性を示すことができる。

[臨床リハビリテーションへの影響]
本研究は、脳卒中リハビリテーションにおける神経画像診断の役割をよりよく理解するのに役立つかもしれない。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅改めて、脳画像から病態や予後を予測することは大切だなと感じた。と同時に、整形外科疾患だとどうなのうだろう?と思った。例えば、頚部骨折のグレードやその手術方法、また同様の手術の中でも一定の基準を用いて画像から病態・予後を予測することは可能であるのか。個人的には気になるところである。

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