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入院早期から自主練習をしっかりやる➡1年生存率⤴

▼ 文献情報 と 抄録和訳

急性股関節骨折患者の運動プログラム遵守に影響する因子と1年生存率への影響

Rosas Hernández AM, Alarcón T, Menéndez-Colino R, et al. Factors affecting exercise program adherence in patients with acute hip fracture and impact on one-year survival. Braz J Phys Ther. 2020 Nov-Dec;24(6):479-487.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ 結論
早期入院運動プログラムのアドヒアランスは高く、1年生存率と関連していた。

[目的]
急性股関節骨折患者におけるEarly Inpatient Exercise Programのアドヒアランスを調査し、そのパフォーマンスに関連する変数を特定し、1年生存率との関連性を検討する。

[方法]
対象者:La Paz大学病院(スペイン、マドリード)で股関節骨折により連続して入院した509名の患者のコホートを対象とした観察的縦断研究。
アウトカム:社会人口統計学的変数、骨折前の身体機能、認知障害、併存疾患、運動アドヒアランスの測定(術前の運動、術後の運動、リハビリテーションセッション)、追跡調査時のバイタルステータス
測定時期:骨折から1年後に、患者またはその親族に電話で連絡を取り、バイタルステータスを確認した。
データは、ロジスティック回帰と多変量Cox比例ハザード回帰を用いて分析した。

[結果]
✓4分の3の患者(76.0%)が早期入院運動プログラムを遵守することができた。
✓アドヒアランスに関連する因子は、自宅に住んでいること(オッズ比(OR)=3.39、95%信頼区間(CI):2.03、5.64)、骨折前の障害がないこと(OR=3.78、95%CI:2.21、6.47)、骨折前の認知機能障害がないこと(OR=2.36、95%CI:1.36、4.07)、併存疾患があること(OR=1.66、95%CI:1.03、2.67)であった。
✓入院中の早期運動プログラムの遵守は、1年生存率と関連していた(HR=1.62、95%CI:1.06、2.49)。

[結論]
早期入院運動プログラムのアドヒアランスは高く、1年生存率と関連していた。早期入院運動プログラムに参加していない24%の患者や、認知機能や身体機能が低下している患者に対しては、早期入院運動プログラムへの参加を促す努力をすることが重要である。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅ポイントは、”入院後すぐ”且つ、ある程度”一律”でプログラムを実施したことではないかと感じた。そのことで、「ああ、自主練習することは当たり前のことなんだな」という感覚になる。また、集団生活の中で、「他の人もやっているから自分もやらなくては」という心理状態にもなりそうだ。そのような状態にもっていくために、病院全体で、こうした取り組みを行う姿勢が大事だろう。

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”継続すること”に関して、面白い記事があったので紹介する。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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