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子供の偏平足には装具療法が効果的?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

軟性扁平足の子どもにアーチサポート付き足部装具を4ヶ月間装着した後の下肢の関節間協調と協調変動の定量化

Jafarnezhadgero A, Mousavi SH, Madadi-Shad M, Hijmans JM. Quantifying lower limb inter-joint coordination and coordination variability after four-month wearing arch support foot orthoses in children with flexible flat feet. Hum Mov Sci. 2020 Apr;70:102593.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ 結論
アーチサポートFOの長期使用は、軟性扁平足の子どもの歩行時の下肢協調運動と協調運動の変動に有効であることがわかった。

[背景]
小児の扁平足は、下肢のアライメントに悪影響を及ぼし、健康上の問題を引き起こす。足部装具(FO)を長期的に使用することで、下肢の協調性とその変動性を改善できる可能性がある。

[目的]
柔軟性のある扁平足の子どもにおいて、アーチサポートFOの長期使用が関節間コーディネーションとコーディネーションの変動性に及ぼす影響を評価する。

[方法]
対称:軟性扁平足の男児30名を実験群(EG)と対照群に無作為に割り付けた。
介入:EG群は4ヶ月間、日常生活の中で内側のアーチサポートFOを使用し、対照群は同期間、厚さ2mmのフラットなインソールを使用した。3つのサブスタンス相における下肢の協調性と変動性を、ベクトルコーディング法を用いて定量化した。

[結果]
✓EGのミッドスタンスにおける正面足首-股関節連動は、EGのテスト前がインフェーズ(221.1°)、CGのテスト後がインフェーズ(222.7°)であったのに対し、テスト後はアンチフェーズ(156.9°)に変化した。
✓EGの荷重反応(LR)時の前額面の膝腰の連動は、EGのテスト前の同相(35.5°)とCGのテスト後の同相(35.3°)に比べて、テスト後は逆相(116°)に変化した。
✓足首の内転・外転・膝の内転・外転関節の結合角は、EGではテスト前の近位相(89°)に対し、テスト後は同相(59°)に変化した。
✓EGのテスト後では、Push-off時の矢状面の足首-股関節、LR時と立位中間時の横面の足首-股関節、LR時と立位中間時の横面の膝-股関節において、EGのテスト前やCGのテスト後に比べて、カップリングアングルの変動が大きくなった。

[結論]
アーチサポートFOの長期使用は、軟性扁平足の子どもの歩行時の下肢協調運動と協調運動の変動に有効であることがわかった。このような協調機能に関する新たな知見は、偏平足の子どもたちに計画されている矯正運動戦略の改善に役立つ可能性がある。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅「この偏平足は治りますか?」と聞かれることが時折ある。また、成長期スポーツ障害において、偏平足を伴うケースが非常に多い印象を受ける。『装具療法』を選択肢の一つに入れておく必要があるだろう。

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その他、偏平足が生じる原因と対策に関して、以下の記事が分かりやすい。

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