地方のローカル鉄道はどうなるのか、またはどうあってほしいか④ 自治体のリアクション

 こんにちは、そろそろ秋ですね。というか暦の上ではとっくに秋で、もうすぐ秋分の日が来て夜の時間が長くなりますが気温的には全然そんな気がしません。(30℃って秋の気温…?)
 
 今回は、今まで記事で取り上げた「鉄道事業者の動き」「国の動き」を踏まえて、自治体がどう反応したのかをまとめます。

今までの記事の一覧

地方の鉄道はどうなるのか、またはどうあってほしいか(序)|パスタライオン ~鉄道と交通政策のまとめ~|note

地方の鉄道はどうなるのか、またはどうあってほしいか① 北海道の失敗|パスタライオン ~鉄道と交通政策のまとめ~|note

地方の鉄道はどうなるのか、またはどうあってほしいか② 誤解をほどく|パスタライオン ~鉄道と交通政策のまとめ~|note

地方の鉄道はどうなるのか、またはどうあってほしいか③ 国の「提言」のコア|パスタライオン ~鉄道と交通政策のまとめ~|note


1 私にかかっているバイアス

 これまでnoteをお読みいただいた方にはお気づきのことと思われますが、私は基本的に交通政策問題に関しては、「自治体にムカついている」人間なので、認知バイアスは自覚しています。そしてそれは取り除こうとしても無理なので、そういう前提でお読みいただければと思います。

2  2022年のこれまでの動き

 地方の鉄道はどうなるのか、またはどうあってほしいか③ 国の「提言」のコア|パスタライオン ~鉄道と交通政策のまとめ~|note

 この記事で紹介した国の「検討会」が行われ、議論が「存廃、もしくは残し方の協議をはじめるべき」に傾いたところで、全国の賛同知事連名の要望書を国交省に提出しています。
(「未来につながる鉄道ネットワークを創造する緊急提言」 2022.5.11)

3 JR西日本の発表がきっかけ

 今年に入って報道も盛んに行われるようになりましたが、過熱したのは
JR西日本が線区別の収支を公表してからです。この発表が2022年4月11日のことです。

JR西日本の路線別収支 中国地方の苦境が鮮明に: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC083260Y2A400C2000000/  (日本経済新聞)
同上

 でもこの4月の前に、「線区別の収支をこれから発表しますよ」という前触れみたいな発表をすでに2022年2月にやってるんですよね。
JR西日本 地方路線30線区の収支公表へ “今後”の議論加速向け | NHK | 新型コロナ 経済影響

 それに、冒頭紹介した「検討会」でも、3月に広島県知事が招かれ説明や要望を行っているので、自治体側としては自分のところの線区が対象になることは先刻承知のはずです。

4 JR西日本 山口県で初の意見交換

【山口】維持・確保が課題となっているローカル線について、沿線自治体や県、国、JRが一堂に会して初めての意見交換会(KRY山口放送) - Yahoo!ニュース

 これがつい先日、2022年9月16日のことです。ここで話された沿線自治体の利用促進の取り組みというのは、おそらく国→県→市町村 の支援スキームである、乗車助成とかのことでしょうかね。あとはスタンプラリーとか。
 

5 時間はたっぷりあったはず

芸備線「廃線前提に聞こえる」 広島県知事がJR西に不快感:朝日新聞デジタル (asahi.com)

岡山支社幹部が沿線自治体に「鉄道は地域のお役には立てていない。前提を置かず、将来の地域公共交通の姿について速やかに議論を開始したい」と持ちかけ、自治体側が「唐突だ」と対応を保留した。

 このように、発表まで猶予もあったし、北海道の事例から5年10年の時間がありながら「唐突」だと本気で思っているのだとしたら、目が曇っていると思うし、ポジショントークであればそんなことやってる時間がもったいないと思う。

JR西日本プレスリリースより抜粋

 ちなみに芸備線の1日平均乗車数は11~888名。
 特に利用の少ない備中神代~備中落合は1日5~6往復、1列車あたりでは2人~10人ちょいってとこですね…これでよく「唐突」感を感じられたな、というか普段関心ないんだろうなぁと思ってしまいます。

 繰り言を言ってもお互い得はしないので、ちゃんと地元住民の意見・関心が反映された協議の場を各自治体には早く設けてほしいところです。

このテーマについての記事をマガジンにまとめています、よろしければぜひ!

お読みいただきありがとうございました
 パスタライオン
 30℃は秋の気温じゃないっての

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