見出し画像

#265 その感情は誰のせい?

感情労働

教師という職業は、頭脳労働であり、肉体労働であり、感情労働です。

「感情労働」とは、「相手の精神を特別な状態に導くために、自分の感情を誘発、抑圧することを職務にする、精神と感情の協調が必要な労働」です。(社会学者のホックシールドさんの定義です。)

https://note.com/passtime55/n/n4597d43fc0fa


僕たち教師は、30人前後の子どもと生活を共にします。その中で、様々な感情が沸き起こります。
うれしかったり、くやしかったり、悲しかったり、頭にきたり・・・

感情は自分が起こすもの

さて、その「感情」ですが、誰のせいで起こっていますか?

何度注意してもいっこうに変わらないあの子のせいで、頭にきている!
ついに結果を出したあの子のこれまでの努力に感動している!

自分の中に沸き起こる感情は、何かに触発されて起こっています。
しかし、その「感情」は自分のものなのです。つまり、感情は自分が起こしているのであって、相手のせいで起こっているわけではないのです。

「そんなバカな?」と疑っているあなた

ちょっと想像してみてください。
(実際に、同僚に話した時に、「そんな訳ないですよ!」と言われたんですよね。)

バスに乗っていて、急ブレーキがかかりました。あなたはどんな感情が沸き起こりますか?

僕が乗客を見回した時、様々な感情が車内で見られました。イラついている人、怖がっている人、無関心な人・・・。同じ出来事に対して、誰もが同じ感情を持つかというと、そうでもないようです。

当然、子どもが相手でも同じです。

子どもの言動に対して、怒りが沸き起こったとします。その原因は、子どもではありません。あなた自身で「怒り」の感情を起こしたのです。何度言っても直そうとしないことに怒りが起こるのであれば、「改善しようとしない態度に苛立つ」という自分の傾向が、子どもの言動がきっかけで刺激されただけです。同じ子どもの言動に対して、全ての教師が同じ感情は抱かないですよね。

感情から自分を知る

ここで、大事にしたいのは、自分が起こす「感情」によって、自分がどんな人間なのかを知ることです。「感情」は自分の状態を知る重要な手がかりになります。そして、自分の特徴となります。

・仕事が溜まってきて余裕がないと、無駄話が我慢できなくて注意してしまう。
・しかった子が何事もなく話しかけてくると、反省してない気がして、そっけなくしてしまう。
・やんちゃな子が良いことすると、すごくうれしくなる。
・忘れ物が多い子に、つい、きつく当たっている気がする。

日々の生活の中で、あなたの指導に「感情」=「自身の特徴」が影響しているかもしれません。その指導は、本当に自分で望んだものになっていますか?

感情はあなたのものです。

「感情は自分が起こしている」つまり、「感情は自分のもの」です。
○○に対して、つい怒ってしまう自分は変えられます。
感情労働である教師だからこそ、自分の感情を自分の望む形に変えていきませんか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?