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#262 時間軸を長くして、子どもに関わる

新年度が始まりますね。

「春休み」とは、子どものための名称で、我々教師は1年で最も多忙な時間を過ごします。初日に担任、分掌発表があり、校長の学校経営の方針を受け、そこからはノンストップで子どもたちの登校日に向けての準備です。
教室環境の整備、時間割、さまざまな年間計画を受けての学年経営の方針決め、教材選びなどなど。
ここで大切にしたいのが「時間軸の長さ」です。

時間軸の長さ

授業を例にします。
時間軸の短い先生は、
「明日はどこやるんだっけ。」と言いながら指導書を開く。

時間軸が伸びると、
「明日からの単元のねらいって何だっけ?」と単元全てを確認する。

さらに伸びると、
「明日からの単元って、年間計画のどこに位置するんだろう?」

さらにさらに伸びると、
「明日からの単元って、去年のどの単元とつながって、来年はどの単元につながるんだろう?」

最終的には、
「この勉強って、この子が生きる上で、何のためにやるんだろう?」

一次産業のすごさ

ぼくは社会科が好きなんです。五年生では一次産業を扱います。その中でも、子どもと一緒に感心してしまうのが「林業」なんです
林業では、60年以上の年月をかけて出荷される木材があります。ということは、今、自分が手入れしている木が、商品として出荷される日を迎える前に、仕事を辞めているかもしれません。この「時間軸の長さ」に感心してしまうのです。

人生に一部に携わる

さて、教育に話を戻します。
前述の例から分かるように、教師によって子どもを捉える「時間軸の長さ」に差があります。短いことが悪いとは言いません。「時間軸を長くして、子どもに関わる視点がない」ことが危ういと思っているんです。

落ち着きのないクラスを変えたいとします。「時間軸」が短くていいのなら、威圧し、厳しく指導すればいいでしょう。
しかし、一見落ち着いたように見えたとしても、子どもは成長しておらず、数週間後、数か月後には、もっとひどい状態になるでしょう。
そこで「時間軸」を長くしてみましょう
半年後には落ち着いたクラスにしたい。そのために、今は何をすべきかを考えます。きっと、厳しく指導するとは違う選択肢が見えてくるはずです。

子どもたちの人生は、卒業してから何十年と続きます。
その人生の一部に携わる者として、短絡的な視点だけでは危ういと思います。

子どもたちの未来に思いを馳せ、今の自分のできることに全力で向き合う。

そんな姿勢で、今年度もがんばろうと思います。

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