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『機嫌のデザイン』

著名なプロダクトデザイナーである秋田道夫さんの著作。
自己の機嫌をデザインする、つまり『いつも機嫌よく過ごすためのハウトゥー』が書かれた一冊。

■本書の概要

「秋田道夫さん」「デザイン」という文字に引っ張られて、プロダクトデザインの書籍かと思って手に取りましたが、イントロダクションを読んで『機嫌の話』なのだと気付きました笑

秋田道夫さんとお会いしたことはなく、雑誌やSNSで拝見することしかありませんが、それでも確かに秋田道夫さんはいつもニコニコしている印象があり、そういう意味では秋田道夫さんにピッタリのテーマだなと、読了して改めて思いました。

啓発本のジャンルに含まれるとは思いますが、内容はカチッとしているわけではなく、全体を通して緩く軽く書かれています。
ですので、軽い気持ちで読むことができますし、それでいて巷にあるメンタルコントロールの書籍とは異なる目線の気付きを与えてくれます。

■こんな人におすすめ

・メンタルコントロールに関する書籍を読んでいる方
・秋田道夫さんファン
・今読んでいる本が読み終わって次に読む本を探している方(それくらい軽い気持ちで読めます)

■私が良いなと思った一節


区分けによってなんとかして優位な自分を構築しようとする。
でも結局、自分の意が届かない人たちによって、自分は評価されてしまう。
だからそんな画策は徒労に終わる。

デザインもそう。
どんなに説明文を添えても、意図が伝わる保証はない。
だから、デザイナーは理屈で論破しようと思ってはならない。
それで言い負かされた相手は根に持つし、長い目で見れば得策ではない。
知識と見識眼で負けていなければ良い。


今の時代、良くも悪くも、誰でも何に対してでも瞬時にコメントができる。
たがら尚のこと、安易にコメントはしない方が良い。現代は、言葉を吟味した上で発するセンスが問われている。


他の人の半分の時間で8割まで仕上げる。
種明かしをすると、0から80%までは案外ささっとできる。
むしろ80%から90%への1割の引き上げに、0から80%までにかけた時間と同等を要し、90%~100%への仕上げには倍の時間がかかる。
大事なことは、とにかく『相手との意見の区違いを無くす』こと。
そして、まだ結論が出ていない段階で燃え尽きてはいけない。


高級品と廉価版の機能は近くなる。
機能を増やすには技術がいるが、機能を減らすには哲学がいる。
機能を極限まで減らし、基本性能を磨く方が「本物の高級」につながる。


自分を「こういう人だ」と決めない方が良い。
誰もそこには関心がない。自分を勝手に不自由にするだけだ。

■最後に

秋田道夫さんの機嫌良さ。
その秘訣を垣間見ることができる一冊。

ご機嫌な毎日を過ごすために、ぜひ読んでみては。

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