恐ろしく明るいX線装置、肺の隅々までくっきり見えるぞ


人体を傷つけずに人体の中身を見られたら良いな、とうっかり別の実験で見つけてしまったのが、X線。

ドイツのヴィルヘルム・レントゲンさんは放射線の存在を確信し、数学の未知数を表す「X」の文字を用いて、X線と命名した。なお、このX線に対して、特許を個人的に取ろうとせず、科学の発展のために万人に役立てるべきだと考えていたという。

こうして、医学は骨や内臓を見透かす科学の光を使えるようになったわけだ。2003年には「ライフ」誌で「世界を変えた100枚の写真の一枚」に選ばれている。


UCLと欧州シンクロトロン研究施設の科学者は階層型位相差トモグラフィー(HiP-CT)と呼ばれる革新的な画像技術を用いて、Covid-19のドナーから人間の臓器をスキャンした。

この新しい技術は現在、世界で一番明るいX線。この強烈な輝きは人間の肺の直径5ミクロンの血管を見ることが出来る。5ミクロンと言うのは髪の毛の直径の10分の1にあたる。

とことん詳細に観察が出来ることによって、Covid-19に感染された肺がどこまで被害が及んでいるかを見ることが出来るようになった。

HiP-CTを使用して、コントラストが低かった人間の臓器をよりはっきり投影できるので、3D映像として画像かすることが出来る。特定の細胞を観察することも出来るぞ。

いずれはがん細胞をマーキングすることで、HiP-CTからより細かくがん化した細胞を区別することも出来るかな。

もしかしたら、また新しい未知の臓器を見つけてしまうなんてこともあるかもね。実にワクワクするね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?