【酔い冷ましのホルモン】マウスに投与したホルモンが素早く酔いを覚ましたぞ

むかしはよく晩酌をしていたけれども、最近はとんと飲まなくなったので、ビール一杯でもちょっと酔いが回るようになってしまった。飲めば飲むほど強くなると言う話があるけれど、まあ、それは嘘だろうと思う。

生きているうちに会えなかった祖父は、付き合いがいい人だったようで、どんなところでもお酒の席に付き合っていたという。しかし、そのアルコールの乗員がたたってしまったのか、肝臓を患って定年にもならないうちに亡くなってしまった。

お酒の席に付き合わないというのは昔は社会性の維持において必要だったから、ことわれば阻害されてしまう空気もあったわけで、お酒が飲めない人には苦痛でしか無かった。

そういう人は付き合いを大事にするあまりに寿命を縮めてしまったという話は存在する。ある特撮の主人公役をやっていた俳優は、付き合い酒を断らなかったために早逝してしまった。

そいや、効果的な酔い覚ましの薬は見かけていない。飲み終わったら、すぐに酔いが覚めるような効き目が出るやつ。


アメリカ、テキサス大学サウスウェスタン医療センターなどの研究でアルコール中毒のマウスから劇的に回復するホルモンを発見した。

線維芽細胞増殖因子21(FGF21)と呼ばれるホルモンが、エタノールによる平衡感覚の喪失などをおこすアルコールの毒から身体を守るという。

肝臓はアルコールの代謝に関与するだけで無く、意識喪失と協調性の喪失の両方を含む酩酊の害から守るために、脳にホルモン信号を送っていることを発見した。と研究者は述べている。

さらに、注射によってFGF21の濃度をさらに高くすることで、酔いからの回復を劇的に早めることができた。FGF21は覚醒を司る脳の非常に特殊な部分を活性化することでこれを実現するとのこと。

FGF21は、飢餓、タンパク質欠乏、単糖、エタノールなどの様々な代謝ストレスによって肝臓に誘導されるホルモンである。

今回の研究で、FGF21がエタノール暴露による有害な影響から身を守るために、これまで考えられていたよりも幅広い役割を果たすことを明らかにした。エタノールしか効かないので、他の麻酔や鎮静剤には効き目がない。これは大きなメリットだろう。

さらにFGF21の効果の主要な作用部位は脳であることが明らかになった。これからの研究ではFGF21が酔い覚ましの効果を発揮する神経細胞経路をより深く探っていくという。

いまは、マウスでの効果が確認されているけれども、ヒトでも効果が認められるなら、いつでもほしい人がわんさかと求めてくる。お酒を沢山飲むホストなんかはほしがるだろうし、まだ残っているだろう付き合い酒にも活用してほしいともう。昔ほどではないだろうが、酒が受け付けない人にはお酒の席は苦痛でしかないから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?