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【親しい友人の存在が心拍数に与える影響】親友は心拍数を下げてリラックスさせてくれるぞ

他者の存在は、私たちの主観的な気持ちを変化させると同時に、心拍数などの生理的な反応を変化させることが知られています。本研究によって、親しい友人が目の前(パーソナルスペース内)にいるとき、副交感神経活動が活性化し心拍数が減少することが明らかとなりました。本研究の成果は、円滑なコミュニケーション確立のための介入法や臨床的な示唆という観点から、発達科学や社会科学、精神病理学等の関連領域への貢献が期待されます。

科学的背景

私たちは他者とコミュニケーションを取るとき、快適だと感じる空間を維持することが知られています。この空間はパーソナルスペースと呼ばれ、私たちの身体を取り囲むように広がっています。他者がパーソナルスペース内に侵入すると、不快な感情が沸き起こり、他者から逃げようとする反応が観察されることもあります。パーソナルスペースに関連する研究の多くは、「快適さ」という主観的な気持ちを指標として用いてきましたが、近年の研究では、他者が身体の周辺にいるとき、心拍数や皮膚電気活動などの生理的な反応も変化することが報告されています。

実験方法と結果

親しい間柄にある友人同士16組に実験に参加してもらい、さまざまな位置関係で立っているときの心電図データを記録しました。その結果、親しい友人が目の前にいるとき、他の位置関係のときよりも、心拍数が減ることが明らかになりました。また、心電図データから自律神経の活動を調べたところ、副交感神経活動の活性化がみられることが分かりました。これらの結果から、親しい友人の存在が副交感神経活動を活性化させ、心拍数が減少したと解釈されました。

社会的影響と展望

本研究の成果は、円滑なコミュニケーション確立のための介入法の提案や臨床的な示唆という観点から、発達科学や社会心理学、精神病理学など対人コミュニケーションと関わる諸研究領域にも重要な知見となることが期待されます。また、個人差やパーソナルスペースの形状の違いによる影響をより詳しく調査することで、さらなる理解が深まる可能性があります。

研究者のコメント

本研究は、オフラインのコミュニケーションが私たちの身体に与える影響に焦点を当てたものです。今後も、より広範囲な対人コミュニケーション場面において研究を進め、人同士のやりとりが私たち自身にどのような変化をもたらすのかを探求していきます。

用語解説

副交感神経活動: 主に休息時やリラックス時に活動し、心拍数や血圧の減少などに関連する自律神経活動のこと。交感神経活動とは異なり、副交感神経活動は身体をリラックスさせる働きがあります。

皮膚電気活動: 汗腺活動によって生じる皮膚の電気現象のこと。心理的な状態を評価するための指標として使用されます。

この研究は、早稲田大学理工学術院総合研究所の向井香瑛(むかいかえ)次席研究員および同大理工学術院の渡邊克巳(わたなべかつみ)教授らの研究グループによって実施されました。

ChatGPTで作成


親の知人の話で、大手の企業でそこそこの役職のまま定年退職し、残る余生で悠々自適の生活を送れると思っていたら、すこしずつ身体の衰えとともに認知症や転んで大けがをして救急車に何度もお世話になるようになったとか。

しかし、この方は会社にいたときは人のつながりがあったけれど、退職してからは訪ねてくる人もほとんどいなくなってしまったという。会社の組織はつながりがあったとしても、会社の役職とつながりがあっただけで、本人のパーソナリティのつながりは希薄だった。

これからのライフプランは会社だけでは無く、様々なコミュニティに加わっておくことで、横のつながりを広げていくことが重要だろう。それには、若いうちに心を開ける縁の濃い友人がいればなお良い。とはいえ、いまは友人を作るにも難しいと感じる人も結構いるらしい。自分の視界には見受けられないけれども、そういう人物は傍目で友人がいないとわかる人物ではないだろうから、観測するのはとても難しいと思う。

いまは、SNSで薄いつながりを広げて過ごしている人の方が多いだろう。縁の深い友人は出来なくても、縁の薄いフォロワーを増やしていくのも、もう一つのメンタルケアになり得ないかなとも思う。


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