人の顔は年齢とともに対称性が崩れていくよ

この人は美人だなと思うとき、なんで美人なんだろうと考えてみるとよくわからない。好みだからと言う主観的な原因だったら、たくさんの人が決めるコンテストになったら美人を選ぶ場合に有意な差は出てこないはず。

美人の顔の基準というのが、顔の形やパーツが対称的であることがあげられる。なにげに人の顔をちゃんと見てみると、顔は対象ではなく、微妙に違っていることが見えてくる。

イラストを描くときに、バランスを取るための修正法として、紙やキャンバスを左右反転して、おかしくないか見比べる方法がある。ひっくり返してもちゃんと書けているつもりが、ちょっとおかしくなってしまったりする。

某大手のマンガ出版社編集への質問で左右反転で絵を整えるのが大変ですみたいなコメントがあったんだけれど、「面白ければ、そんなことにはこだわらない」という返答だった。マンガはそういうものだ。マンガに求めること、イラストが求めてることを肝に銘じておかなければならない。


ハーバード大学医学部でなぜ人の顔は年齢を重ねると非対称になってしまうのかを研究。

同大学のマウント・オーバーンのヘレナテイラー教授は形成外科の手順をよりデータ駆動型にする方法を見つけようとして考えた。

外傷後の顔の修復などの再建形成外科の目標は特徴を対称に近づけること。しかし、ほとんどの顔は非対称である。だから、どこまでこの非対称のあたりをどこまで進めるのかと。

そこで、顔の再建のために病院に来た子ども達の画像を撮り始めた。そこで気がついたのは非対称性のデータを持ってないことがわかった。

生後4ヶ月から88歳までの191人のボランティアから顔の画像をレンダリングして、アルゴリズムで顔の対称性の計算および定量化を行った。

結果、年齢と非対称とはかなりの関係があることがわかったという。年齢を重ねていくと人の顔は非対称の度合いが大きくなっていた。

これは顔だけの問題ではなくて、身体も非対称の度合いが大きくなっているだろうとテイラー教授は加えた。

形成外科からすると、顔の再建は非対称で行わなければならない。もともと、人間の顔は非対称なので、その場できれいに対称的に出来たとしても、その後はどう変わっていくのだろうか。見にくくなると言うことではないのだろうけれど、老いて顔の左右差が変わっていく中で、再建した顔のパーツだけが正対称であったら、なんかバランスが悪いような。

整形してきれいな顔になった人はいるけれど、年齢を重ねたときに未だに対称的な顔になっていたら、違和感を覚える様な見た目にでもなるのかな。



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