【食べ物画像で食欲抑制】30回食べ物画像を見ると食欲が満たされるぞ

スマホの画面には、おいしそうな食べ物の写真がたくさん表示されています。これらの写真は、私たちに食べたいという気持ちを起こさせるのでしょうか?それとも、逆に満腹感を与えてくれるのでしょうか?

オーフス大学の研究者たちは、この疑問に答えるために、3つのオンライン実験を行いました。その結果、同じ食べ物の写真を何度も見ると、満腹感が高まり、食べたい量が減ることがわかりました。

この研究は、食欲と認知の関係について新しい知見を提供しています。また、食品広告やソーシャルメディアの影響についても考えさせられます。

研究者たちは、参加者にさまざまな刺激を見せました。刺激は、M&Mやスキットルなどの甘いものの写真でした。参加者は、それぞれ3回、15回、30回、同じ写真を見せられました。

その後、参加者は満腹感や食欲に関する質問に答えました。また、自分が欲しいM&Mやスキットルの量を選びました。

研究者たちは、同じ写真を30回見た参加者が、他のグループよりも満腹感が高く、食べたい量が少なかったことを発見しました。これは、画像が繰り返されることで、食べ物に対する興味や欲求が減少する現象であると考えられます。

さらに研究者たちは、色や味がこの現象に影響するかどうかも調べました。M&Mやスキットルは色によって味が違うからです。

しかし、色や味は結果に影響しなかったことがわかりました。オレンジ色のM&Mだけを見せられた参加者も、赤色や黄色のM&Mだけを見せられた参加者も、同じように満腹感が高まりました。スキットルでも同様でした。

「色が関係ないのであれば、味をイメージしているのだろう。しかし、ここでも大きな影響は見られませんでした。このことから、満腹感に影響を与えるには、色や味だけでなく、もっと多くのパラメータが変化する必要があると考えられます」と説明しています。

これは、画像が繰り返されることで、私たちの脳はその画像に対して無関心になり、その画像が表す食べ物の特徴や差異に注意を払わなくなるからだと考えられます。

この研究は、私たちの食欲は単純な生理的な要求ではなく、認知的な要因にも大きく左右されることを示しています。

私たちが食べ物について考えることや想像することは、実際に食べることと同じように、私たちの脳に影響を与えます。これは、根拠ある認知理論と呼ばれる理論で説明されています。

この理論によると、私たちが何かを考えるとき、その考えに対応する脳の領域が活性化されます。例えば、リンゴを食べることを想像すると、リンゴを食べるときに活性化される脳の領域が活性化されます。

このようにして、私たちは考えただけで満腹感を得ることができます。逆に言えば、食べ物の画像を見ることで、私たちは食べ物に対する欲求を高めることもできます。

この研究により、私たちが日常的に見る食品広告やソーシャルメディアの画像が、私たちの食欲や満腹感にどのような影響を与えるかについても考えさせられます。

研究者たちは、同じ画像を何度も見ると満腹感が高まることを示しましたが、これは必ずしも常に起こるわけではありません。実際の生活では、私たちはさまざまな種類やバリエーションの食べ物の画像を見ます。

これらの画像は、私たちに食べ物に対する興味や欲求を刺激する可能性があります。特に、私たちが好きな食べ物や新しい食べ物の画像は、私たちの注意を引きやすいでしょう。

また、画像だけでなく、テキストや音声などの他の要素も私たちの食欲に影響を与える可能性があります。例えば、友人や家族からのおすすめやレビューは、私たちに食べ物を試したいと思わせるかもしれません。

したがって、私たちは自分自身の食欲や満腹感に注意を払い、外部からの刺激に惑わされないようにする必要があります。また、自分が本当に食べたいものや必要な量を見極めることも大切です。


Tjark Andersenをはじめとする多くの研究者が、ソーシャルメディア上の食品広告が私たちにどのような影響を与えるかを研究しています。私たちは常においしい食べ物を目の前にしているためです。

2016年、アメリカの研究グループは、私たちがソーシャルメディアを利用しているときに、平均してどれだけの食べ物の広告に遭遇するかを調べようとしました。研究者たちは、多くの若者をモニターし、彼らが出会ったコンテンツを地図にまとめました。

平均して、若者たちは12時間の間に6.1件の食べ物に関する投稿を目にしました。その大半は食べ物の写真で、3分の1以上はデザートなどの甘い食べ物に関する投稿だった。

インターネット、特にソーシャルメディアは、私たちがますます太りやすくなる一因となる可能性があります。しかし、それが解決策になる可能性もあるのです。

それは未来にしかわからないことです。

この論文は、学術誌「Appetite」に掲載されています。

BingAIで作成


深夜にごちそうの映像が流れてくると、「飯テロ」と呼ぶ人がいて、深夜に食欲を刺激するようなものを見てしまったゆえの誘惑に対するカウンター。その飯テロにあらがえずにコンビニに向かう人や深夜営業しているラーメン屋に行く人がどれだけいるだろう。

今回の研究は、見てしまったら何度も何度も見れば、やがて食欲は治まってくるだろうというもの。本当にそうなのか。

たしかにご飯を作っている人は作っているうちに食欲がなくなってしまうことがある。それは、料理を目にしているうちに脳が満たされてしまったということか。

誘惑に弱い人は食べ物の画像を沢山用意して、ひたすらスライドショーを眺めていれば、食欲が抑えられるだろうか。そういった実践的なことを誰かしてくれないかな。自分はやりませんけど。


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