【マシュマロテストにもの申す】日本の子どもは食べ物だけは我慢強かったぞ

大金を手に入れてしまったとして、物欲を我慢できるのかと問われたら、多分我慢が出来なくなるだろう。宝くじ1等を当ててしまったら、消費レベルが上がってしまって、お金が無くなった時にひもじいと感じてしまうに違いない。

今ある気持ちよさを我慢すれば、その後は大きなリターンがあるとわかっていれば、自分も頑張れるかもしれない。しかし、目の前の現実的な気持ちよさと比べれば、遠くに待っている大きなリターンは果たしてやってくるのかと現実感の乏しいマボロシのようにかすんでしまって、見えなくなってしまう。

そういう消費欲求を抑え込むことがしっかり出来ていたら、自分の暮らしはもう少しましになっていたのだろうか。目の前のマシュマロを食べなければ、5年後は複利で10個になっているかもしれない。

いや、マシュマロはそれほど好きじゃ無いけれど。


京都大学大学院教育学研究科、東京大学大学院教育学研究科、日本学術振興会、カルフォルニア大学デービス校の共同研究で、マシュマロテストはこどもの自制心を試す尺度として有名だけれど、日本の場合においての実証研究が少なく、日本で予備実験を行った。

日本では幼児期の満足遅延が文化によって特有の待つ習慣により支えられていることを明らかにした。満足遅延とはすぐに得られる小さな報酬を我慢し、将来与えられる大きな報酬を優先すること。

日本の子どもは待つ習慣を持っている、それは家族から保育園、幼稚園、学校にいたるまで、みなで一緒に食べ始める「いただきます」の習慣があるため、食べ物を前に待つことが出来る。

なので、米国の子どもと比べて、日本の子どもはマシュマロテストに長く待つことが出来た。

そこで、マシュマロと比較するためにプレゼント包装をしたギフトを用意した。ごちそうかギフトか、こうして子ども達に検証比較をしたところ、ギフトよりもごちそうを我慢できる傾向にあり、米国の子どもは反対にごちそうよりもギフトを我慢することが出来た。

文化圏の違いにより、内容によって我慢ができるものが違っていた。

米国では誕生日パーティーやクリスマスパーティーなどでしか、プレゼントをもらう機会が無く、パーティが終わるまでゲストが持ってきたプレゼントを開けるのを待ったり、目の前にプレゼントがあっても、何日も待たなければならない習慣がある。つまり、米国の子ども達はプレゼントを待つことが出来る。

こどもの自制心を比べるのも、育ち方の背景を見なければ、計れないと言うことか。しかし、このマシュマロテストは少し前にこの研究は反論されていて、結局自制心云々よりも、育ってきた環境に大きく左右されていたよって、身も蓋もない話になっていたんだよね。

まあ、出来る子は本当に出来るけれども、自制心の強さが将来の展望を明るくするのかというと、さすがに疑問は浮かぶわけで。

#日本の研究

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