動脈出血も止めてしまうフジツボ接着剤ができちゃった

リンク先は出血注意。しかし、すごい。

桜玉吉のマンガに海岸で遊んでいた子どもが膝をケガして、帰った後も痛みが引かないというので膝の手術をしたら、膝の皿の骨にびっしりとフジツボが詰まっていたという話が。フジツボは細菌みたいに小さくはないので、あり得ないなとは思う。なお、フジツボは貝の仲間と思われがちだけど、エビやカニなどの甲殻類に分類されている。

深刻な出血を伴う外傷にはいち早く出血を止めることが何よりも重要なのだけれど、応急処置としては出血部を強く圧迫するくらいしか方法がない。

米軍の支援で完成させたのが、注射器のような止血器具。銃創などの穴が開いた部分にこの器具を差し込んでスポンジを詰めていくという方法。

血液という水分を吸ったスポンジがぎゅーっと止血部分を圧迫していくという寸法。銃に限った話でもなく、何かの事故で太い血管を損傷するような場合もきっと役に立つと思う。


血液凝固というプロセスは重要な血管を切った場合の出血量ではとても遅くて間に合わない。だから、クリップとか鉗子できゅっと一時的にホースを潰すのりで留めておく。

MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究者が開発したのは、動脈を切って出血が深刻な状態でも、15秒で止血できるペースト。

フジツボが濡れた表面でも汚れた表面でもがっちりくっついていられるところに目をつけた。フジツボの接着剤は接着タンパク質と脂質が含まれていて、対象の表面から汚染物質を取り除きピタッとくっつくようにできている。脂があるから水分をはじいてしまう。

だから、濡れても汚れても、最適な状態で接着できてしまう。

このフジツボ接着剤はビュービューと流れ出る豚の大動脈モデルに使用したところ、1回の塗布で10秒以内に止血できちゃった。

さらに豚の肝臓の出血も15秒以内で止めることができた。ペーストを塗り塗りしてきゅっと押すだけ。

そして、この成分はやがて体内に吸収されていくので傷口から消えていくという。

この止血剤は、米軍も注目しているけれど、商業化に向けた取り組みも行われているという。

紛争地域の病院で大活躍するだろうけれど、救急医療の現場だって、出血を抑えることがまず大事だし、これでいち早く出血を抑えられたら、輸血パックの節約にだってなるから。

そのうち、小林製薬か、ジョンソンエンドジョンソンあたりが、すぐ直る止血パッドを作ってくれると思うよ。



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