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脱マトリックス!理論と実践2020 (vol.17):体と感情・意識①〜胃

執筆:いち あまね


この時代の人類の進化の方向性として、はっきりとこの世界の仕組みを理解した上で、マトリックス空間を抜け出し、自分を超え、人間を超え、無限の可能性を発揮するクリエイターとして生きること。

そのための情報をお伝えしていきます。

感情と身体のネットワーク

自分自身の潜在意識が作り出すマトリックス世界のストーリーに取り込まれて、振り回されないためにも、潜在意識を顕在化して、リリースするプロセスが大切です。

観察する際には、潜在意識とニューロンによってインタラクティブにネットワークを作っている身体を観察することが役に立ちます。

みえますの「感情マスタープログラム」でも、「情緒語」を唱えながら、身体を観察していきますね。

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情動と感情を区別する

脳科学者のアントニオ・ダマシオ博士については、以前もご紹介しました。
ダマシオ博士によると、人間の五感と脳が作り出すシステムに、何かしらの刺激が入ったとき、感情や思考が生まれる前に、まず情動が起こっているとされています。

情動は感情と区別されずに使われていることが多いのですが、これを明確に区別した方が、身体と感情の繋がりを理解しやすくなります。

情動とは・・・何かしらの刺激により、視床下部を司令塔とした大脳辺縁系の反応で開始される生理的な反応です。神経系(自律神経、脳神経、末梢神経)、内分泌(様々なホルモン分泌)、代謝、免疫系反応により、全身の身体に何かしらの変化が起こります。ダマシオ博士は、情動は感情というプロセスの前兆と捉えています。

感情とは・・・情動の後に生じ、身体から脳に上行性に接続するニューロンによって、「脳の身体マップ」に生じる、特定の身体状態の知覚。つまり、特定の身体の変化が情動として起こり、その身体の変化がマップ化され、知覚として感情として認識されるとされています。感情の本質は、マッピングされた特定の身体の状態で、身体の観念であるとされています。

例えば、誰かに嫌なことをされた場合に、私たちの多くは、怒りや悲しみなどの感情を感じますが、その前に、情動反応として、例えば、肩や首の筋肉のこわばりや胃がキューっと掴まれるような収縮感などが起こり、それが、上行性のニューロンを通して脳のマップにおいて知覚されることで、「怒り」という感情が湧いているというプロセスがあるということです。


情動も感情も認識が大切

人は、自分のことを観察するよりも、目に映るマトリックス世界に心を奪われるものですから、多くの場合、情動は認識されることなく、無視されるのが普通です。

感情は認識しやすいものですが、素直に健康的に表現できる人ばかりではありません。

「怒ってはいけない」と、感情を押し込めたり、もっとひどい場合には、生じているはずの怒りを認識できずに、何も感じていないと勘違いしてしまいます。認識されない感情は、その特定の身体の負荷になるため、不調や病気として現れてしまうことになります。

身体を観察して、感情を認識すること。また、感情の認識を通して、身体の違和感を感じること。これは、いずれも、潜在意識のプログラムをリリースし、自分の生み出すストーリーから自由になるためにとても重要なプロセスです。この段階がコントロールできないと、言語と知の五階層において神を体現し、自由意志を発揮する領域には到達できません。

『みえます』の感情マスタープログラムは、そのためにとても大切なワークです。

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身体の各部分に関連する感情、意識

前置きが長くなりましたが、今回から、身体の観察のヒントとなるように、身体の各部分と関連しやすい感情や潜在意識についてご紹介していきたいと思います。

生理学や脳科学に、東洋思想などを組み合わせてお伝えしますので、100%が科学で説明できるものではありませんが、視床下部を中枢とした大脳辺縁系の潜在意識とそれに関連した体の各部分の機能は大いに対応していますので、納得頂けるところがあると思います。

前回まで消化器のお話をしてきましたから、まずは消化器からいきましょう。


胃にまつわる感情や意識

■胃の機能
食べ物を胃酸や消化酵素によって細かく消化し(プロセス)、吸収を助ける臓器です。同時に袋状であるために食べ物を溜めておくこともできます。また、咽頭反射によって、敏感に腐敗した食べ物や毒物を嘔吐して受け入れを拒否することもできます。胃は、陰陽五行で言えば、土(陰)に分類されます。

■胃の感情と意識、テーマ
 ●  食べ物・出来事・考え方などの受け入れ・消化
 ●  拒否・拒絶
 ●  吸収を助ける
 ●  心配や不安

外のもの、他のものを、自分の内側に受け入れるためのプロセスを助けることです。食べ物ばかりではなく、出来事や考え方などについて、受け入れるかどうかを判断し、消化することを助けます。

例えば、外側の世界で、急に自分にとって受け入れがたい出来事が起こった時、急に胃が動かなくなり、嘔吐してしまう場合があります。消化できない出来事の受け入れを拒絶するという働きです。

胃は、ストレスがかかると痛くなりやすい臓器です。胃が弱い傾向にある人は、心配・不安が強く、クヨクヨとした思考回路に陥りがちです。自分に自信がなく、受け入れるかどうかの判断ができないと、色々な物事や人間関係を抱え込み過ぎてしまいます。

胃が弱いと仰る患者さんの多くは、主体性に欠くなという印象があります。もしくは、逆に、不安の裏返しとして、拒絶の意識が強くなると、頑固で自分の考えに凝り固まり、人生においても柔軟性を失ってしまいます。

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いかがでしょうか?

身体の部分とそれにまつわる感情や意識は、機能と大いに連動しています。ただし、知識に囚われて頭で考えてしまうと、自由な観察ができなくなってしまいます。身体感覚をしっかりと感じた上で、整理整頓する際のサポートツールとして、お使い頂ければ幸いです。

次回からは、引き続き、消化器の各臓器と感情や意識、機能についてご紹介していきます。

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【いち あまね プロフィール】
医師・認定産業医・文筆家
米国IBA認定・ボディトークプラクティショナー
国立大学医学部医学科卒

出口王仁三郎が霊山として、邸宅を構えた岡山県熊山遺跡の麓に生まれる。
某大学病院糖尿病代謝内分泌科を経て、臨床医として最新のバイオロジカル医療・予防医療から在宅・看取り医療まで幅広く臨床経験を積みながら、個々の病気の根本原因やより良き生と死に向き合ってきた。
究極のヘルスケアは、人類の進化であると捉え、最新の分子整合栄養療法・バイオロジカル医療から常在細菌学、生命科学、意識科学、理論数学、物理学、哲学などを統合した視点で、医療とヘルスケアの次元上昇を目指している。
薬を処方する代わりに、情報空間へのアプローチとして、情報を処方することを天職と捉え、書籍やメディアなどで情報を発信している。


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