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言霊量子論 その3

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

量子論的「産霊(むすび)」とは?

今回の言霊量子論は、「むすび」という霊観についてお話ししてみたいと思います。言うまでもなく神道における「むすび」とは、「霊(ひ)」に結びつく言葉であり、「むすひ」とも呼ばれ、産霊、産巣日、牟須日、牟須霊などの漢字があてられています。宮中八神殿には、産霊五神として古事記に記載されている高牟須霊(たかみむすび)・神牟須霊(かみむすび)の二霊と、記紀には記載されていない生産霊(いくむすび)・足産霊(たるむすび)・玉留産霊(たまつめむすび)の三霊が祀られています。高牟須霊・神牟須霊は、そのまま造化三神の二神であり、その働きは、天之御中主神(布都麻邇) から発せられる創造意志を、エネルギーとして伝える布留部の結びの働きです。神との階層との橋渡し(むすび)の働きです。そして同時に、生産霊・足産霊・玉留産霊を生す(むす)役割を担っています。

さて、神道における「むすび」と量子論的「むすび」とは、どのようなアナロジーで結びつくのでしょうか? 前回の言霊量子論でお話ししましたように、私たち自身の肉体も含め、宇宙の森羅万象は4つの力で支配されています。今回、お話しする量子論的「産霊(むすび)」とは、この森羅万象を支配する4つの力を生みだす素粒子についてのお話しです。 

4つの力を生み出す素粒子は「物質を結びつける素粒子」としてゲージ粒子と呼ばれ、「強い力」における光子(フォトン)、「弱い力」におけるウィークボソン、「重力」における重力子(グラビトン)、「電磁気力」における膠着子(グルーオン)の4種類のゲージ粒子が存在します。

なんだか難しそうな話になってきましたが、簡単にいうと、自然界に存在する力は、作用するものの間でゲージ粒子をキャッチボールでもするように交換し合うと「(むすび)の力」を生じる、ということなのです。たとえば、月と地球間で引力が働くのは、月と地球間で重力子(グラビトン)という「物質を結びつける素粒子」であるゲージ粒子が交換されているからです。同じように、原子の世界では電子と原子核間で光子(フォトン)が交換されています。また原子核という超ミクロの世界でも、中性子や陽子を構成しているクォークとクォーク間で膠着子(グルーオン)が交換されています。さらに中性子を陽子に変えたり、陽子を中性子に変えたりする弱い力を発生させる現象は、中性子と陽子間でウィークボソンが交換されているのです。

ここで話が相転移しますが、「素粒子」の最終結合物の集合体である私たち人間社会においても、実は人間と人間を結びつける「(むすび)の力」として、言葉の存在が考えられます。言葉のやりとりは、まさにゲージ粒子をキャッチボールでもするように交換し合う「(むすび)の力」を生じる、とみなすことができるのです。言葉がテンポよく交換されると、つまりコミュニケーションが活性化すると、人間と人間を結びつける力が強くなります。もちろん言葉は音響子(フォノン)として、空気を媒介して伝わると同時に、言霊子(ロゴストン)として脳波を媒介して伝わります・・・。 言霊子(ロゴストン)が登場したところで残念ですが、言霊量子論3は字数の関係上、ここまでにしたいと思います。

次回は、小笠原先生の「言霊開眼」に記述されている、母音半母音は陽子であり父韻は電子であって、親音「イ」は中間子である、というお話しと、言霊子(ロゴストン)とのお話しを「むすび」つけてみたいと思います。(つづく)

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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等

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